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CARPORT Coronary Artery Restenosis Prevention on Repeated Thromboxane-Antagonism Study
結論 PTCA施行例において,GR32191Bは再狭窄を予防せず,また臨床転帰も改善させなかった。

目的 PTCA施行例における再狭窄に対する抗アレルギー薬GR32191Bの有効性を検討。
一次エンドポイント:PTCA施行後から追跡時の最小血管径の差。二次エンドポイント:死亡,非致死性心筋梗塞(MI),CABG施行,または再PTCA施行。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(4ヵ国,6施設)。オランダ,ドイツ,フランス,ベルギー。
期間 追跡期間は6ヵ月。
対象患者 697例。狭心症および冠動脈造影で確認された冠動脈疾患による待機的PTCA施行症例。
治療法 GR32191B投与群(351例)とプラセボ群(346例)にランダム化。
GR32191B群:PTCA施行1時間前にGR32191B 80mg経口投与後,80mg/日を6ヵ月間経口投与。プラセボ群:施行前にaspirin 250mg静注後,プラセボを6ヵ月間投与。全例に施行時,heparin 1万U静注,施行中は5,000U/時を静注。nifedipine 10mg/2時間を12時間投与し,施行後2日目まで徐放性nifedipine 20mg/8時間を経口投与。鎮痛薬としてはparacetamol 500mgを経口投与し,aspirinまたは非ステロイド性抗炎症薬の投与は禁止とした。
PTCA施行前後と6ヵ月後に冠動脈造影を実施。
追跡完了率 6ヵ月後の冠動脈造影の実施率は74.9%(522例)。
【脱落理由】冠動脈造影による追跡不能(74例),ノンコンプライアンス(53例),PTCA不成功(48例)。
結果

●評価項目
冠動脈造影の評価可能症例522例(GR32191B群261例,プラセボ群261例)での,追跡時における最小血管径はPTCA施行直後に比し,プラセボ群で-0.31±0.54mm,GR32191B群で-0.31±0.55mmとGR32191Bによる治療効果は認められず,GR32191Bは再狭窄を予防しなかった(相対リスク1.15,95%CI 0.82-1.60)。追跡期間中の死亡(プラセボ群6例 vs GR32191B群4例),非致死性梗塞(22 vs 18),バイパスグラフト術施行(19 vs 22),再PTCA施行(52 vs 49)においても両群間に有意差なし。また,6ヵ月後,GR32191B群の75%,プラセボ群の72%で無症状であった。

●有害事象
出血性合併症の発症は両群で軽度のものであり,入院期間中の出血イベントはプラセボ群18例(5%),GR32191B群15例(4%)であった。脳出血または脳血栓イベントの発生は認められず,GR32191Bの忍容性は高かった。全有害事象の発生は,プラセボ群40例,GR32191B群44例。

文献: [main] Serruys PW, et al for the Coronary Artery Restenosis Prevention on Repeated Thromboxane-Antagonism Study Group (CARPORT). Prevention of restenosis after percutaneous transluminal coronary angioplasty with thromboxane A2-receptor blockade: A randomized, double-blind, placebo-controlled trial. Circulation 1991; 84: 1568-80. pubmed
関連トライアル ERA, Finci L et al, Kereiakes DJ et al 1996, M-HEART II, Norris RM et al, RESTORE, Schwartz L et al, STARC, Taylor RR et al
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