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Veterans Affairs Cooperative Trials
on Antiplatelet Therapy after CABG
結論 左前下行枝(LAD)に対するCABG施行1年後の内胸動脈グラフトおよび伏在静脈グラフト開存率は,いずれも良好であった。aspirin投与による両グラフトの開存率に差は認められず,aspirinによる影響はみられなかった。

目的 左前下行枝(LAD)へのCABG施行1年後における,内胸動脈グラフトおよび伏在静脈グラフトの開存率を比較するとともに,抗血小板薬aspirin投与の有効性を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。
セッティング 多施設(14病院)。アメリカ。
期間 追跡期間は1年。
CABG施行期間は1983年6月~1988年9月。登録期間は,プロトコールI:1983年6月~1986年7月,プロトコールII:1986年8月~1988年8月。
対象患者 620例。LADに対する左内胸動脈グラフトまたは伏在静脈グラフトを用いた待機的CABGを施行した男性患者1,031例のうち,1年後にカテーテル法を実施した症例。
治療法 プロトコールI:aspirin 325mg/日投与群,aspirin 975mg/日(分3)投与群,aspirin 975mg/日(分3)+dipyridamole 225mg/日(分3)併用投与群,sulfinpyrazone 801mg/日(分3)投与群,プラセボ群にランダム化。
dipyridamoleとsulfinpyrazoneはCABG施行の48時間前から投与開始。aspirin投与群では,施行12時間前に325mgを単回投与し,施行後は6時間後から経鼻胃管にて投与再開。以後,経口投与が可能になるまで胃管にて8時間ごとに投与。鎮痛薬はsalsalateを使用。
プロトコールII:aspirin 325mg施行前(12時間前)投与群とプラセボ群にランダム化。
施行後は1年間にわたって全例にaspirin 325mg/日投与。
両プロトコールとも病変の程度で層別化しランダム化した。内胸動脈グラフトと伏在静脈グラフトへのランダム化は実施せず。
1年後(中央値367日:62~679日)にカテーテル法による血管造影を実施し,グラフトの開存率を評価。プロトコールIおよびIIを統合して解析し,aspirin群(517例)とプラセボ群(103例),内胸動脈グラフト(237例)と伏在静脈グラフト(383例)を比較。sulfinpyrazone群は本解析から除外。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
1年後の内胸動脈グラフトの開存率は,プラセボ群100%(23/23),aspirin群92.1%(197/214)と両群間に有意差は認められず(p=0.385),静脈グラフトの開存率も各88.8%(71/80),90.4%(274/303)と有意でなかった(p=0.675)。また,両群を合わせた内胸動脈グラフトの開存率は92.8%(220/237),静脈グラフトは90.1%(345/383)で,両グラフト間にも有意差はみられなかった(p=0.309)。
aspirin群において,内胸動脈グラフト留置の遠位LADの内径≦1.5mmと>1.5mmの開存率を比較したところ,≦1.5mm群7.0%(7/100),>1.5mm群8.1%(9/111)と差は認められず(p=0.800),遠位LADの内径は開存率の予測因子ではなかった。

●有害事象
表記なし。

文献: Goldman S, et al. Internal mammary artery and saphenous vein graft patency: Effects of aspirin. Circulation 1990; 82(Suppl IV): IV237-42. pubmed
関連トライアル Agnew TM et al, Brooks N et al, CABADAS, Chesebro JH et al 1982, Chesebro JH et al 1984, Gavaghan TP et al, GESIC, Hockings BE et al, Kohler TR et al, McCollum C et al, McEnany MT et al, Pantely GA et al, Pfisterer M et al, Pirk J et al 1990, Rajah SM et al 1985, Rajah SM et al 1994, Sharma GV et al, VA Cooperative CABG, VA Cooperative Study 1989, Veterans Affairs Cooperative Study, Yli-Mäyry S et al
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