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TIMI IIA 1990 Thrombolysis in Myocardial Infarction Phase IIA
結論 血栓溶解療法施行後の急性心筋梗塞(AMI)患者に対する保存的治療は,短期および長期の臨床転帰(死亡率およびPTCA施行率の抑制)に優れていたことから,初期治療として好ましいことが示唆された。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者に対する血栓溶解療法(rt-PA)後の早期(2時間以内)PTCAと遅延(18~48時間)PTCAの有効性を比較検討。また,PTCA(侵襲的治療)と保存的治療の効果を比較。
一次エンドポイント:退院時の左室駆出率(LVEF)。
デザイン ランダム化,オープン。
セッティング 多施設(7病院)。アメリカ。
期間 追跡期間は1年。登録期間は1986年4月~1988年6月。
対象患者 586例。年齢≦75歳。AMI発症後4時間以内(中央値2.9時間)に血栓溶解療法を施行した患者。30分以上持続する虚血性胸痛および隣接した2誘導以上でのST上昇(≧1.0mV)。
治療法 早期PTCA施行群(195例:IC群),遅延PTCA施行群(194例:DC群),保存的治療群(197例)にランダム化。全例に血栓溶解薬rt-PAを投与。当初は150mg/6時間で投与したが,出血性合併症が予想より多かったため100mg/6時間に減量。rt-PA投与開始直後からheparin 5,000Uボーラス静注後,1,000U/時で5日間継続静注(活性化部分トロンボプラスチン時間を正常上限値の1.5~2.0倍に維持)。6日目からheparin 1万U/12時間皮下投与を開始し,退院時まで継続。全例にaspirin 81mg/日を5日間投与,その後は325mg/日継続投与。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
退院時のLVEFは3群でほぼ同等であり(平均49.3%),血管造影による梗塞関連動脈の開存率も3群間で差はみられなかった(平均83.7%)。しかし,残存梗塞関連血管の狭窄率はIC群50.6%,DC群47.8%に比し,保存的治療群67.2%で有意に大きかった(p<0.001)。また,残存狭窄率<60%の症例はIC群67.6%,DC群75.0%と保存的治療群31.0%に比し多かった(p<0.001)。PTCA後のCABG施行率は,DC群2.1%,保存的治療群2.5%に比較して,IC群7.7%で高かった(p=0.01)。さらに,CABG非施行例における21日後の輸血(>1単位)はIC群で13.8%とDC群3.1%,保存的治療群2.0%に比し多くみられた(p<0.001)。
1年間の追跡後では,PTCAの累積施行率は侵襲的治療群で高かったが(IC群75.8%,DC群64.3%,保存的治療群23.9%,p<0.001),死亡率(各群8.2%,7.7%,10.2%,p=0.68),死亡または再梗塞(各群14.9%,12.9%,15.8%,p=0.71),脳卒中(各群1.6%,2.2%,1.6%,p=0.91),致死性および非致死性再梗塞(8.5%),CABG施行(17.2%)の累積発生率は3群間でほぼ同等であった。

●有害事象
表記なし。

文献: [main] Rogers WJ, et al for the TIMI II-A Investigators. Comparison of immediate invasive, delayed invasive, and conservative strategies after tissue-type plasminogen activator: Results of the Thrombolysis in Myocardial Infarction (TIMI) Phase II-A trial. Circulation 1990; 81: 1457-76. pubmed
関連トライアル Barbash GI et al, DANAMI, ECSG-RTPA, Mayo Coronary Care Unit and Catheterization Laboratory, NRMI-2, PACT, PAMI, SWIFT, TACTICS-TIMI 18 1998, TAMI 1 1987, TAMI 5 1991, TAMI 5 1991, TAMI 6, TIMI II 1989, TIMI II 1992, TIMI II 1993, TIMI II 1995, TIMI IIA 1988, TIMI IIIB 1994, TIMI IIIB 1995, TRIC, VANQWISH, Zijlstra F et al
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