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SPAF I-III 2000 Stroke Prevention in Atrial Fibrillation I-III
結論 心房細動(AF)患者における脳梗塞の多くは心原性塞栓によると推測され,warfarin用量調整投与により有意に発症が抑制される。また,AF患者へのaspirin投与は非心原性塞栓による脳卒中の一次予防に有効である。脳卒中リスクの高いAF患者では心原性塞栓症の発症リスクが最も高く,warfarinによる抑制効果も最も高い。

目的 心房細動(AF)患者において,脳梗塞のメカニズムを評価するとともに抗血栓療法に対する反応を比較検討。
デザイン -
セッティング 多施設。
期間 -
対象患者 SPAF I-III Trialの登録患者3,950例(SPAF IIIでは脳卒中高リスク患者1,044例,低リスク患者892例)。
SPAF III:以下のリスク因子を1つ以上有する症例(高リスク症例):脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)既往,SBP>160mmHg,最近の心不全または駆出率(EF)≦25%,年齢>75歳の女性。また,低リスク症例とは上記のリスク因子を有さない患者とした。
治療法 SPAF III:脳卒中高リスク症例(1,044例)をwarfarin+aspirin併用投与群(521例:warfarinは1~3mgをINR 1.2-1.5に用量固定,aspirinは腸溶錠325mg/日)とwarfarin用量調整投与群(523例:warfarinをINR 2.0-3.0になるように用量調整)にランダム化。
低リスク症例(892例)にはaspirinを投与。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
SPAF I-III Trialにおける脳梗塞発症は217例,頭蓋内出血は30例。心原性塞栓と推測されたのは52%,非心原性塞栓および特定不能は各24%[特定不能例を除くと心原性塞栓は68%(SPAF IIIでは73%)]。warfarin用量調整投与群ではプラセボ群または抗血栓療法非実施群に比し,心原性塞栓を有意に抑制し(p=0.02),aspirin投与群と比較すると心原性塞栓を83%低減した(p<0.001)。一方,aspirin投与群,warfarin+aspirin併用群では非心原性塞栓が抑制された(p=0.06)。
ベースライン時の患者背景による解析では,心原性塞栓は女性で有意に多く発症し(48% vs 32%,p=0.06),また心原性塞栓を発症した患者では予後に障害を伴う割合が高かった(p=0.05)。
SPAF IIIでは,warfarin+aspirin併用群(高リスク症例)でaspirin群(低リスク症例)に比し脳梗塞発症率が高く,特に心原性塞栓では有意差が認められた(3.8/年 vs 1.0%/年,p<0.001)。また,warfarin用量調整群では併用群に比し心原性塞栓症が87%低減し,SPAF IIにおいても同様に82%の抑制が認められた(各p<0.001)。

●有害事象
表記なし。

文献: [substudy] Hart RG, et al on behalf of the SPAF Investigators. Cardioembolic vs. noncardioembolic strokes in atrial fibrillation: frequency and effect of antithrombotic agents in the stroke prevention in atrial fibrillation studies. Cerebrovasc Dis 2000; 10: 39-43. pubmed
関連トライアル AFASAK 2 1999, BAFTA, Béjot Y et al, Hylek EM et al, Pearce LA et al, SPAF, SPAF I-III 1999, SPAF I-III 2000, SPAF III 1996, SPAF III 1998, SPAF III 1998, warfarinによるNVAF患者の脳卒中予防, WARSS, WASID antithrombotic failures
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