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Hellemons BS et al Primary prevention of arterial thromboembolism in non-rheumatic atrial fibrillation in primary care: randomised controlled trial comparing two intensities of coumarin with aspirin
結論 一般診療での非リウマチ性心房細動(AF)患者(抗凝固薬に対する明らかな適応がない)において,low intensityまたは標準的抗凝固療法のaspirinに優る一次予防効果は示されなかった。以上から,こうしたAF患者への第一選択薬はaspirinであると考察された。

目的 一般診療における非リウマチ性心房細動(AF)患者において,抗血小板薬aspirinとクマリン誘導体(phenprocoumonまたはacenocoumarol)による抗凝固療法の血栓塞栓症の一次予防効果を比較検討。
一次アウトカム:脳卒中,全身性動脈塞栓症,重度の出血,血管死。二次アウトカム:非致死性心筋梗塞(MI),網膜梗塞,一過性脳虚血発作,軽度の出血性合併症,非血管死。
デザイン ランダム化,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(284一般開業医)。オランダ。
期間 追跡期間は平均2.7年。試験期間は1990年1月~1996年12月。
対象患者 729例。平均年齢74.8歳。男性44.9%。一般診療における抗凝固薬に明らかな適応がないAF患者。年齢≧60歳。心電図所見における慢性AFまたは間欠性AF(過去2年以内)が認められる症例。
【除外基準】治療可能なAF,脳卒中の既往,リウマチ性弁膜症,過去1年以内のMIまたは心血管手術,心筋症(左室駆出率<40%),慢性心不全,心室瘤,全身性塞栓症の既往,網膜梗塞,過去3ヵ月以内のクマリン誘導体投与歴,aspirinまたはクマリン誘導体に禁忌,ペースメーカー植込みなど。
治療法 stratum 1:標準的抗凝固療法の適応症例(394例)を,標準的抗凝固療法群[131例:INR 2.5-3.5(平均3.1)となるようクマリン誘導体(phenprocoumonまたはacenocoumarol)を投与],low intensity抗凝固療法群[122例:INR 1.1-1.6(平均1.4)となるようクマリン誘導体を投与),aspirin群(141例:150mg/日)にランダム化。
stratum 2:非適応症例(335例)を,low intensity抗凝固療法群(157例)とaspirin群(178例)にランダム化。
追跡完了率 脱落率は23.2%(169例)。
【脱落理由】試験薬の服用不可能(痴呆またはaspirinに対するアレルギー),抗凝固薬への適応,試験参加の動機の欠除など。
結果

●評価項目
一次アウトカムは全108件発生し(年間発生率5.5%),各治療群別ではstratum 1の標準群10件(2%/年),low intensity群8件(2%/年),aspirin 群12件(3%/年),stratum 2のlow intensity群37件(10%/年),aspirin群41件(10%/年)であった。aspirin群に対するハザード比は,low intensity群0.91[95%CI 0.61-1.36(stratum 1+2)],標準群0.78[95%CI 0.34-1.81(stratum 1)]。非血管死は全48件(2.5%/年)発生し[stratum 1の標準群3件(1%/年),low intensity群4件(1%/年),aspirin 群8件(2%/年),stratum 2のlow intensity群9件(2%/年),aspirin群24件(6%/年)],aspirin群に比しlow intensity群で減少した(ハザード比0.41,95%CI 0.20-0.82)。
Cox回帰分析による一次アウトカム発生の独立した予後因子は,SBP高値(ハザード比1.03,95%CI 1.01-1.04),DBP低値(<85mmHg:ハザード比1.7,95%CI 1.08-2.77),年齢(≧78歳:ハザード比5.2,95%CI 2.62-10.4)であった。

●有害事象
全出血イベントは75件(3.9%/年)発生(標準群 vs aspirin群のハザード比:1.3,95%CI 0.59-3.0,low intensity群 vs aspirin群:1.02,95%CI 0.58-1.8)。うち重度または致死性の出血は23件(1.2%/年),軽度の出血は52件(2.7%/年)であった。重度の出血イベントは13件(0.7%/年)発生し,aspirin群に対するハザード比はlow intensity群1.1(95%CI 0.36-3.4),標準群0.96(95%CI 0.06-15.4)と,出血の発生率には各治療群間に有意差は認められなかった。

文献: Hellemons BS, et al. Primary prevention of arterial thromboembolism in non-rheumatic atrial fibrillation in primary care: randomised controlled trial comparing two intensities of coumarin with aspirin. Br Med J 1999; 319: 958-64. pubmed
関連トライアル ACTIVE A, ACTIVE W, ACTIVE W CHADS2 score, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, AFASAK 2 1999, AMADEUS, ARISTOTLE, ASPIRE, AVERROES bleeding, BAFTA, CAST-IST, Copenhagen AFASAK, EAFT 1993, ESPRIT , LASAF Pilot Study, NASPEAF, Pengo V et al, PROTECT AF, SPAF, SPAF II 1994, SPAF II 1996, SPAF III 1996, SPAF III 1998, SPAF III 1998, SPIRIT, TPT
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