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von Kummer R et al Safety and efficacy of intravenous tissue plasminogen activator and heparin in acute middle cerebral artery stroke
結論 脳卒中発症後6時間以内のrt-PA 100mg+heparin併用投与による急性期治療での出血性合併症の発生率は10%未満であり,本治療の安全性が示された。また,再灌流および側副血行路の回復は,梗塞サイズの抑制および予後改善において重要な因子であることが示唆された。

目的 脳卒中急性期の患者における血栓溶解薬rt-PA(alteplase)と抗凝固薬heparin併用の安全性および有効性を検討。
デザイン オープン。
セッティング 単施設。ドイツ。
期間 追跡期間は4週間。試験期間は1989年2月~1991年9月。
対象患者 連続した32例(男性19例,女性13例)。28~70歳(中央値60歳,平均58歳)。脳卒中発症から治療開始まで6時間以内の急性期患者。頭部CT所見において血液学的疾患および出血が認められず,かつ血管造影所見で頭蓋内内頸動脈(ICA),中大脳動脈幹(MCA1)または分枝(MCA2)に閉塞が認められる症例。
治療法 血管造影施行直後に,rt-PA(alteplase)15mgをボーラス静注後,50mgを30分,35mgを60分で静注(総投与量100mg)。同時にheparin 5,000Uをボーラス投与後,1,000~1,500U/時を用量補正して投与(活性化部分トロンボプラスチン時間を通常の2倍に維持)。heparinはCT所見により出血が認められた時点で投与中止。rt-PA静注終了後,直ちに血管造影を再実施。発症から12~24時間後のドプラ超音波検査にて再灌流を評価(30例)。治療開始から2,10日,4週間後に再CTまたはMRIを実施。発症から治療開始までの時間は平均226±68分(105~360分)。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
完全または部分的な再灌流が,90分後に11例(34%),12~24時間後に17例(53%)で認められた。CT所見による臨床上の増悪を伴わない出血性梗塞は9例(28%)。中大脳動脈梗塞を伴う致死性出血3例(9%),穿刺部位における重篤な出血2例(6%)が発生。臨床症状改善と再灌流達成および側副血行路再建との有意な相関が認められた(各p<0.05,p<0.01)。ICA/MCA複合病変の早期再灌流は,M1のみに比し有意に少なかった(p<0.01)。
24時間以内の再灌流達成例において死亡1例,非改善2例が認められ,再灌流非達成例では各8例,6例であった。梗塞サイズが大きい,または全体に広がっている18例では臨床状態の改善は認められなかった。一方,梗塞サイズが小さく,臨床症状が改善した14例中,13例で再灌流を達成した。

●有害事象
表記なし。

文献: von Kummer R, et al. Safety and efficacy of intravenous tissue plasminogen activator and heparin in acute middle cerebral artery stroke. Stroke 1992; 23: 646-52. pubmed
関連トライアル COBALT, Mendonça N et al, Mikulik R et al 2009, Mori E et al, RAPID II, Saqqur M et al
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