抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
PRISM Platelet Receptor Inhibition in Ischemic Syndrome Management
結論 不安定狭心症患者において,tirofibanは忍容性に優れ,heparinに比し投与期間中の虚血イベント発生を抑制した。30日後の難治性虚血および心筋梗塞(MI)の抑制効果は同等であったが,tirofiban群ではより死亡が減少した。aspirin+tirofiban併用投与は不安定狭心症の治療マネジメントに優れる可能性が示された。

目的 不安定狭心症患者において,血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬tirofibanが予後改善に有効かを検討。
一次エンドポイント:48時間後の死亡+心筋梗塞(MI)+難治性虚血の複合。
デザイン ランダム化,二重盲検。
セッティング 多施設(25ヵ国,128施設)。
アルゼンチン,オーストラリア,オーストリア,ベルギー,ブラジル,カナダ,コロンビア,コスタリカ,フィンランド,フランス,ドイツ,ギリシャ,イスラエル,イタリア,メキシコ,オランダ,ニュージーランド,ノルウェー,ポルトガル,南アフリカ,スペイン,スウェーデン,スイス,イギリス,アメリカ。
期間 追跡期間は30日。実施期間は1994年3月~1996年10月。
対象患者 3,232例。すでにaspirin治療を受けている症例。
【除外基準】過去48時間以内の血栓溶解療法施行またはheparinに対するアレルギーまたは忍容性のない患者,血清クレアチニン値>2.5mg/dL,活動性の出血障害,消化管出血の既往,血尿,血小板障害または血小板減少症の既往,持続性の高血圧症(SBP>180mmHgおよび/またはDBP>110mmHg),出血性脳血管疾患の既往,過去1年以内の脳血管疾患または一過性脳虚血発作の既往,過去3ヵ月以内の活動性の消化性潰瘍,登録前14日以内の侵襲的治療の施行歴など。
治療法 全例にaspirin 300~325mg/日をランダム化前および後48時間投与し,その後は医師の裁量により継続投与。tirofiban投与群(1,616例:0.6μg/kg/分で30分投与後,0.15μg/kg/分で47.5時間投与)とheparin投与群(1,616例:5,000Uを単回ボーラス静注後,1,000U/時で48時間静注)にランダム化。heparin群では活性化部分トロンボプラスチン時間をコントロールの2倍に維持。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
一次エンドポイントの発生率はtirofiban群でheparin群に比し32%減少した(tirofiban群3.8% vs 5.6%,リスク比0.67,95%CI 0.48-0.92,p=0.01)。治療開始後48時間の経皮的血行再建術施行率は1.9%であった。また,7日後の一次エンドポイント発生率は,tirofiban群10.3%,heparin群11.2%(リスク比0.90,p=0.33),30日後の不安定狭心症を含む複合エンドポイント発生率は各群15.9%,17.1%(リスク比0.92,p=0.34)と有意差は認められなかった。
死亡またはMI発症率は,tirofiban群で低下する傾向がみられ(5.8% vs 7.1%,リスク比0.80,95%CI 0.61-1.05,p=0.11),死亡もtirofiban群で抑制された(2.3% vs 3.6%,0.62,0.41-0.93,p=0.02)。薬物治療のみを実施した患者においても,死亡またはMI発症率はtirofiban群で抑制された(3.6% vs 6.2%,0.58,0.38-0.87,p<0.01)。

●有害事象
大出血の発生率は両群で0.4%,可逆性血小板減少症はtirofiban群で多くみられた(1.1% vs 0.4%,p=0.04)。

文献: [main] The Platelet Receptor Inhibition in Ischemic Syndrome Management (PRISM) Study Investigators. A comparison of aspirin plus tirofiban with aspirin plus heparin for unstable angina. N Engl J Med 1998; 338: 1498-505. pubmed
関連トライアル 3T/2R, ACUITY, APPRAISE-2, Canadian Lamifiban Study, Canadian Multicenter Trial, CAPTURE 1999, CHAMPION PLATFORM, CHARISMA, CLARITY-TIMI 28, Cohen M et al, ESSENCE 1997, EXCITE, FRISC, FRISC II 1999, Gurfinkel EP et al, GUSTO IIb 1996, HAS, HELVETICA, Holdright D et al, IMPACT-AMI, ISAR-REACT 3, Kereiakes DJ et al 1996, MSPIRG, Neri Serneri GG et al, OASIS-2, OASIS-5, PARAGON-A, POISE-2, PRISM-PLUS 1998, PRISM-PLUS 1999, PURSUIT 1998, RESTORE, RISC 1990, SAPAT, Schulman SP et al, SYMPHONY, TACTICS-TIMI 18 1998, TACTICS-TIMI 18 2001, TARGET, Théroux P et al 1988, Théroux P et al 1992, TRIM, VA-main, WASID, WHS
関連記事