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GUSTO III Global Use of Strategies to Open Occluded Coronary Arteries III
結論 alteplase急速投与に比し,reteplaseは投与に容易であるが,急性心筋梗塞(AMI)治療における生存率の改善効果は認められなかった。また,死亡+障害を伴う,または非致死性脳卒中の抑制効果は両薬剤で同等であることが示された。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者において,血栓溶解薬reteplase(r-PA)とalteplase(t-PA)の有効性と安全性を比較検討。
一次エンドポイント:30日後の死亡。
デザイン ランダム化,オープン,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(20ヵ国,807病院)。
アメリカ,カナダ,イギリス,ドイツ,オーストラリア,スウェーデン,ポーランド,ニュージーランド,イタリア,フランス,ハンガリー,スペイン,南アフリカ,ポルトガル,フィンランド,ベルギー,アルゼンチン,オーストリア,スイス,オランダ。
期間 追跡期間は30日。登録期間は1995年10月~1997年1月。
対象患者 15,059例。AMI発症後6時間以内で,ST上昇または脚ブロックが認められた症例。
【除外基準】活動性の出血,脳卒中または中枢神経障害の既往,最近の大手術,SBP>200mmHgまたはDBP>110mmHgなど。
治療法 reteplase投与群(10,138例)とalteplase投与群(4,921例)に2:1の割合でランダム化。
reteplase群:30分あけて2回1,000万Uボーラス投与。alteplase群:100mgまで90分加速注入(15mgボーラス投与後,0.75mg/kgを30分で静注+0.5mg/kgを60分で静注)。
全例に早期にaspirin 160mgを投与後,160~325mg/日継続投与。血栓溶解療法と同時にheparin 5,000Uボーラス静注後,1,000U/時(体重<80kgの場合は800U/時)静注。活性化部分トロンボプラスチン時間を50~70秒に維持するよう用量調整。β遮断薬および硝酸薬などの他剤投与に関しては担当医の裁量に任せた。
追跡完了率 早期の投与中止例はreteplase群0.8%,alteplase群1.9%。
【脱落理由】早期死亡または出血イベント。
結果

●評価項目
30日後の死亡率は,reteplase群7.47%,alteplase群7.24%(オッズ比1.03,95%CI 0.91-1.18,補正後p=0.54)と有意差なし。この傾向は,年齢(>75歳または≦75歳),梗塞部位,登録場所,治療開始までの時間といったサブグループにおいても同様であったが,発症後4時間以降に治療を開始した群においてのみ有意差がみられた(p=0.07)。
脳卒中の発症率はreteplase群1.64%,alteplase群1.79%(p=0.50)。死亡または障害を伴う,あるいは非致死性脳卒中の複合エンドポイントは,各群7.89%,7.91%とほぼ同等であった(オッズ比1.0,95%CI 0.88-1.13,p=0.97)。

●有害事象
重篤または生命に危険をおよぼす出血はほとんどみられず,発生率はreteplase群0.95%,alteplase群1.20%であった。また中等度の出血の発生率も同等(各群6.9%,6.8%)。また,再梗塞,うっ血性心不全,不整脈などの合併症の発症も両群でほぼ同等であった。

文献: [main] The Global Use of Strategies to Open Occluded Coronary Arteries (GUSTO III) Investigators. A comparison of reteplase with alteplase for acute myocardial infarction. N Engl J Med 1997; 337: 1118-23. pubmed
関連トライアル COBALT, ECASS III, GUSTO IIb 1996, GUSTO IIb 1997, GUSTO-I 1993, GUSTO-I 1993, IMPACT-AMI, LATE 1993, NRMI-2, PAMI, RAPID II, SPEED(GUSTO-IV Pilot), TIMI 10B, WARIS 1990
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