抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
GUSTO IIb 1997 Global Use of Strategies to Open Occluded Coronary Arteries in Acute Coronary Syndromes IIb
結論 急性心筋梗塞(AMI)患者に対する血管形成術は,t-PAによる血栓溶解療法に比し軽~中等度かつ短期間における臨床ベネフィットに優れることが示唆された。設備の整った,経験のある施設における緊急血行再建術は,心筋の再灌流療法として優れた代替療法であることが示された。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者において,緊急血管形成術施行とt-PA急速投与による血栓溶解療法の有効性を比較検討。さらに,血管形成術施行例における抗トロンビン薬hirudinと抗凝固薬heparinの有効性を比較。
一次エンドポイント:30日後の死亡+非致死性再梗塞+非致死性重度脳卒中の複合。二次エンドポイント:30日後の全死亡,全死亡+非致死性再梗塞の複合,死亡+再梗塞+重度脳卒中+うっ血性心不全の複合,難治性虚血の再発,重度出血。
デザイン ランダム化,二重盲検(hirudin,heparin),2×2 factorial,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(9ヵ国,57病院)。
アメリカ,スペイン,ベルギー,イタリア,ドイツ,スウェーデン,スイス,オーストラリア,カナダ。
期間 追跡期間は6ヵ月。登録期間は1994年7月~1996年1月。
対象患者 1,138例。AMI発症後12時間以内。心電図所見における隣接する2誘導以上でのST上昇(≧0.2mV)または左脚ブロックを伴う20分以上持続する胸痛発現。
【除外基準】同GUSTO IIb Trial(1996年,メインスタディ)。
治療法 緊急血管形成術施行群(565例)とt-PA急速投与群(573例)にランダム化。
t-PA群:15mgをボーラス静注後,0.75mg/kg(最大50mg)を30分,続いて0.50mg/kg(最大35mg)を60分で静注(総投与量≦100mg)。血管形成術群:活性化凝固時間350秒を目標としてheparin 3,000Uまたはhirudin 30mgを点滴。左主幹動脈の狭窄,3枝病変を有する患者にはバイパス術施行を推奨。最初の1,012例(メインスタディ参加例)をhirudin投与群(256例)とheparin投与群(247例)にランダム化し,活性化部分トロンボプラスチン時間を60~85秒に維持するよう3~5日間静注。
登録時のaspirin投与も含め,全例に標準的治療を実施。他の薬剤投与に関しては担当医の裁量に委ねた。
追跡完了率 6ヵ月後の追跡完了率は96.9%。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
一次エンドポイント発生率は,血管形成術群9.6%,t-PA群13.6%と血管形成術群で有意に抑制された(オッズ比0.67,95%CI 0.47-0.97,p=0.033)。死亡は5.7% vs 7.0%(オッズ比0.80,p=0.37),再梗塞は4.4% vs 6.5%(オッズ比0.67,p=0.13),重度の脳卒中は0.2% vs 0.9%(オッズ比0.20,p=0.11)といずれも血管形成術群で減少した。これはt-PAに比し,血管形成術群で死亡が13例/1,000人・30日,死亡+再梗塞+重度の脳卒中が41例/1,000人・30日抑制されることを示す。また,血管形成術群の相対ベネフィットは,ランダム化後5~10日で顕著であった。一方,6ヵ月後の複合エンドポイント発生率は両群間で同等(14.1% vs 16.1%)。また,heparinとhirudin群における一次エンドポイント発生率は血管形成術+heparin群10.6%,血管形成術+hirudin群8.2%であった(オッズ比0.76,p=0.37)。

●有害事象
出血イベントの発生は血管形成術群で多くみられたが,頭蓋内出血はt-PA群でのみ8例(1.4%)認められた。hirudinおよびheparin投与は出血イベントの発生率に影響をおよぼさなかった。

文献: [substudy] The Global Use of Strategies to Open Occluded Coronary Arteries in Acute Coronary Syndromes (GUSTO IIb) Angioplasty Substudy Investigators. A clinical trial comparing primary coronary angioplasty with tissue plasminogen activator for acute myocardial infarction. N Engl J Med 1997; 336: 1621-8. pubmed
関連トライアル ASSET, CARESS-in-AMI , CLARITY-TIMI 28, COBALT, DANAMI-2 8-year outcome, DUCCS-II, ECSG-RTPA, EMIP, ExTRACT-TIMI 25, García E et al, GUSTO IIa, GUSTO IIb 1996, GUSTO IIb 1997, GUSTO III, GUSTO-I 1993, GUSTO-I 1993, GUSTO-I 1995, HART 1990, HELVETICA, ICTUS, IMPORTANT, Mayo Coronary Care Unit and Catheterization Laboratory, NRMI-2, OASIS-5, PACT, PAMI, PRISM-PLUS 1998, PURSUIT 1998, STREAM, STREAM 1-year mortality, SYNERGY, TACTICS-TIMI 18 2001, TAMI 1 1987, TAMI 5 1991, TAMI 6, TIMI 5, TIMI II 1989, TIMI IIA 1988, TIMI IIIB 1994, TIMI IIIB 1995, TRANSFER-AMI, TRIANA, VANQWISH, WARIS 1990, Zijlstra F et al
関連記事