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HELVETICA Hirudin in a European Trial versus Heparin in the Prevention of Restenosis after PTCA
結論 PTCA施行患者において,heparin投与に比し,hirudin投与では早期の心イベント発生が有意に抑制されたが,長期投与による明らかなベネフィットは認められなかった。

目的 PTCA施行患者における再狭窄抑制効果を抗トロンビン薬hirudinと抗凝固薬heparinで比較検討。
一次エンドポイント:7ヵ月後の非イベント発生例の生存率[イベント:全死亡,非致死性心筋梗塞(MI),CABGまたはステント植込みなどの緊急処置,責任血管への再PTCA施行]。二次エンドポイント:静注開始後96時間の心イベント,出血を含む合併症,6ヵ月後の血管造影所見による冠動脈内腔径。
デザイン ランダム化,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(7ヵ国)。
ドイツ,オランダ,イタリア,スペイン,スウェーデン,ベルギー,フランス。
期間 追跡期間は7ヵ月。登録期間は1992年9月~1993年5月。
対象患者 1,154例(解析はPTCAを施行した1,141例:98.9%について実施)。過去3ヵ月の不安定狭心症(新たな発作または症状の悪化,1つ以上の臨床上重要な冠動脈狭窄を有する例)および/または安静時狭心症による待機的PTCA施行患者。
【除外基準】安定狭心症,PTCA施行またはステント植込み施行予定,過去2週間のMI既往,高血圧症,糖尿病網膜症,体重≧100kg。
治療法 PTCA施行前24時間以内にheparinを静注した患者としない患者に層別化し,heparin投与群(382例)とhirudin静注投与群(381例),hirudin静注+皮下注投与群(378例)にランダム化。
heparin群:heparin 1万IUボーラス静注後,15IU/kg/時を24時間継続静注+プラセボ皮下注(1日2回,3日間)。hirudin静注群:hirudin 40mgボーラス静注後,0.2mg/kg/時を24時間継続静注+プラセボ皮下注。hirudin静注+皮下注群:hirudin 40mgボーラス静注後,0.2mg/kg/時を24時間継続静注+hirudin 80mg/日(分2)を3日間皮下注。
試験薬投与30分以上前からheparin投与を中止。heparin群では,PTCA施行に1時間以上を要した場合はheparin 5,000IUを執刀医の裁量により追加投与。全例にaspirin 100~500mg/日を施術当日に投与し,14日以上継続投与。重度の不安定狭心症のため施術にheparinを投与した例は,全例の約1/3。
追跡完了率 解析可能は1,141例(98.9%)。
【脱落理由】非PTCA施行。
結果

●評価項目
7ヵ月後の非イベント発生例の生存率はheparin群67.3%,hirudin静注群63.5%,hirudin静注+皮下注群で68.0%と有意差は認められなかった(p=0.61)。早期の心イベント発生はhirudin投与群で有意に抑制され(各11.0%,7.9%,5.6%),hirudin投与による相対リスクは0.61(95%CI 0.41-0.90,p=0.023)。一方,PTCA施行前にheparinを投与した患者のイベント数は各20,7,7とhirudin投与による相対リスクは0.37(p=0.007)と,重度の不安定狭心症患者に対して特に効果がある可能性が示唆された。
6ヵ月後の血管造影による平均最小内腔径は各1.54,1.47,1.56mmであった(p=0.08)。

●有害事象
重大および軽度の出血の発生率は全群で有意差なし。

文献: [main] Serruys PW, et al for the Hellvetica Investigators. A comparison of hirudin with heparin in the prevention of restenosis after coronary angioplasty. N Engl J Med 1995; 333: 757-63. pubmed
関連トライアル ERA, ESSENCE 1997, ESSENCE 2000, EXCITE, FRIC, GUSTO IIa, GUSTO IIb 1996, GUSTO IIb 1997, HAS, HIT-III, HORIZONS-AMI , ISAR-REACT 3, M-HEART II, OASIS Pilot Study 1997, OASIS-2, PRISM, PRISM-PLUS 1998, PURSUIT 1998, RESTORE, Schwartz L et al, Théroux P et al 1992, TIMI 5, TIMI 9A, TRIM, van den Bos AA et al
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