抗血栓トライアルデータベース
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GUSTO-I 1993 Global Utilization of Streptokinase and Tissue Plasminogen Activator for Occluded Coronary Arteries
結論 急性心筋梗塞(AMI)治療として,t-PA急速投与+heparin静注投与による積極的な血栓溶解療法は,従来の治療法(SK+heparin静注または皮下投与)よりも生存率の改善に有効であることが示された。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者において,積極的な血栓溶解療法(t-PA急速投与+heparin静注投与)と標準的な血栓溶解療法[streptokinase(SK)静注+heparin]の有効性を比較検討。
一次エンドポイント:30日後の全死亡。
デザイン ランダム化,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(15ヵ国,1,081病院)。
アメリカ,イスラエル,カナダ,オランダ,オーストラリア,ベルギー,ドイツ,フランス,イギリス,ニュージーランド,スペイン,ポーランド,スイス,アイルランド,ルクセンブルク。
期間 追跡期間は30日。登録期間は1990年12月~1993年2月。
対象患者 41,021例。AMI発症後6時間未満。
【除外基準】脳卒中の既往,活動性の出血,SKまたはanistreplaseの投与歴,最近の外傷または大手術,コントロール不能な高血圧症(SBP≧180mmHg,治療抵抗性の高血圧症)など。
治療法 streptokinase(SK)静注+heparin皮下投与群(9,841例:SHs),SK+heparin静注投与群(10,410例:SHi),t-PA急速投与+heparin静注投与群(10,396例:THi),t-PA+SK+heparin静注投与群(10,374例:STHi)にランダム化。
SHs群:SK 150万Uを60分以上静注,SK投与開始4時間後heparin 25,000U/日(分2)皮下投与。SHi群:SK静注後,heparin 5,000Uボーラス投与+1,000U/時静注(体重>80kgの場合は1,200U/時を推奨),活性化部分トロンボプラスチン時間を60~85秒に維持するよう用量調整。THi群:t-PA 15mgボーラス投与後,0.75mg/kgを30分で静注し,0.5mg/kg(35mgまで)を60分で静注+heparin静注。STHi群:t-PA 1.0mg/kgを60分静注(10%はボーラス投与,総投与量≦90mg)+SK 100万Uを60分以上で静注+heparin静注。
可能な限り早期にaspirin≧160mgをかみ砕いて投与し,その後160~325mg/日継続投与。禁忌でない限り,β遮断薬atenolol投与。硝酸薬,抗不整脈薬,Ca拮抗薬,ACE阻害薬,digitalisなど他の薬剤投与は担当医の裁量に委ねた。
追跡完了率 コンプライアンスは4群いずれも97~98%と良好であった。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
30日後の死亡率は,SHs群7.2%,SHi群7.4%,THi群6.3%,STHi群7%で,SHs群とSHi群に差はみられなかったが(p=0.731),THi群ではSK2群に比し死亡率が14%有意に低下した(p=0.001,THi群 vs SHs群:p=0.009,THi群 vs SHi群:p=0.003)。THi群ではSTHi群に比べて10%のリスク減少が認められた(p=0.04)。この傾向は,死亡+脳卒中の複合においても同様であり,死亡+障害を伴う脳卒中を伴わせたエンドポイント発生率は,各群7.7%,7.9%,6.9%,7.6%と,THi群でSK 2群に比し有意に低かった(p=0.006,THi群 vs SHs群:p=0.03,THi群 vs SHi群:p=0.01)。
出血性脳卒中の発症率は,各群0.49%,0.54%,0.72%,0.94%と,SK 2群に比較してTHi群およびSTHi群で有意に多かった(各p=0.03,p<0.001)。

●有害事象
合併症の発症率はTHi群で少ない傾向がみられ,特にアレルギー反応や左室機能,不整脈に関する合併症の発症が低率であった。

文献: [main] The GUSTO investigators. An international randomized trial comparing four thrombolytic strategies for acute myocardial infarction. N Engl J Med 1993; 329: 673-82. pubmed
関連トライアル ASSET, COBALT, DUCCS 1, DUCCS-II, ECSG 1992, EMERAS, García E et al, GISSI-2 1990, GISSI-2 1993, GISSI-2 and the International Study, GUSTO IIa, GUSTO IIb 1997, GUSTO III, GUSTO-I 1993, GUSTO-I 1994, GUSTO-I 1995, GUSTO-I 1995, GUSTO-I 1996, HART 1990, I.S.A.M. Study, IMPACT-AMI, ISIS-2, ISIS-2 10 year survival, ISIS-3, LATE 1993, MAST-I, NINDS rt-PA Stroke Study 1995, PAMI, TIMI 4, TIMI 5, TIMI II 1989
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