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GUSTO-I 1993 Global Utilization of Streptokinase and Tissue Plasminogen Activator for Occluded Coronary Arteries
結論 本試験から,心筋梗塞(MI)患者において,梗塞関連動脈の早期かつ完全な再灌流達成は,左室機能を改善し死亡率を抑制するという仮説が裏づけられた。GUSTO-I Trialにおいて最も良好なアウトカムを得たt-PA急速投与法による積極的な血栓溶解療法によると推測される。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者において,冠動脈の開存性・左室機能・生存率の改善に対する血栓溶解療法t-PA,streptokinase(SK),抗凝固薬heparinの有効性を比較検討(GUSTO-I Trialの冠動脈造影に関するサブスタディ)。
デザイン ランダム化。
セッティング 多施設(10ヵ国,75施設)。
アメリカ,フランス,ベルギー,オランダ,カナダ,オーストラリア,スイス,ドイツ,スペイン,アイルランド。
期間 追跡期間は30日。
対象患者 2,431例。平均年齢62歳。女性22%。胸痛の持続(<6時間),心電図所見でST上昇を伴うAMI様症状が認められる症例。
【除外基準】脳卒中の既往,最近の大手術,外傷,活動性の出血,またはSKに禁忌。
治療法 streptokinase(SK)静注+heparin皮下投与群(SHs),SK+heparin静注投与群(SHi),t-PA急速投与+heparin静注投与群(THi),t-PA+SK+heparin静注投与群(STHi)にランダム化。
注)詳細はGUSTO-I Trial(1993年,メイントライアル)参照。
血栓溶解療法後90分,180分,24時間,5~7日目に冠動脈造影をランダムに実施。90分後に実施した症例は5~7日後に再実施とした。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
90分後の梗塞関連動脈の開存率(TIMI grade 2および3)は,SHs群54%,SHi群60%,THi群81%,STHi群73%であり,THi群で他の3群に比し有意に高かった(vs SHs群:p<0.001,vs SHi群:p<0.001,STHi群:p=0.032)。90分後の再灌流(TIMI grade 3)は各群29%,32%,54%,38%と,THi群で他群に比し有意な回復がみられた(p<0.001)。180分後の開存率は各群73%,74%,76%,85%と差はみられず,再閉塞率も同等であった(各群6.4%,5.5%,5.9%,4.9%)。
左室機能は90分後の開存率と同様にTHi群で最も良好であり,灌流達成レベルでの比較では,梗塞関連動脈で正常な灌流を達成した症例で最も高かった。
30日後の死亡率は各群6.5%,7.5%,5.3%,7.8%とTHi群で最も抑制された。治療法にかかわらず,30日後の死亡率は開存率が高いほど抑制された[90分後の開存例(TIMI grade 2または3)5.7% vs 非開存例(TIMI grade 0または1)8.9%,p=0.04,TIMI grade 2症例7.4% vs TIMI grade 3症例4.4%,p=0.08,TIMI grade 3症例 vs TIMI grade 0または1:p=0.009]。

●有害事象
表記なし。

文献: [substudy] The GUSTO Angiographic Investigators. The effects of tissue plasminogen activator, streptokinase, or both on coronary-artery patency, ventricular function, and survival after acute myocardial infarction. N Engl J Med 1993; 329: 1615-22. pubmed
関連トライアル ASSET, Bleich SD et al, COBALT, DUCCS 1, ECSG 1992, EMIP, GISSI-2 1990, GISSI-2 1993, GISSI-2 and the International Study, GUSTO IIb 1997, GUSTO III, GUSTO-I 1993, GUSTO-I 1994, GUSTO-I 1995, HART 1990, I.S.A.M. Study, ISIS-3, Khaja F et al, NHFACT, PACT, PAMI, RAPID II, TAMI 1 1987, TAMI 5 1991, TIMI 4, TIMI 5, TIMI II 1989, WWICT, Zijlstra F et al
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