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Mayo Coronary Care Unit and Catheterization Laboratory
結論 急性心筋梗塞(AMI)患者への緊急PTCA施行と血栓溶解療法+従来治療による心筋回復への有効性はほぼ同等であった。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者において,緊急PTCA施行と血栓溶解療法(t-PA)に続いて従来治療を実施する治療法の効果を比較検討。
一次エンドポイント:入院時から退院時までの梗塞サイズの変化。
デザイン ランダム化,intention-to-treat解析。
セッティング 単施設(Mayo Clinic)。アメリカ。
期間 追跡期間は6ヵ月。登録期間は1989年4月~1991年6月。
対象患者 108例。90%が80歳未満。心筋性の疑いがある重度の胸痛が30分~12時間持続,ECG所見で新たなST上昇(≧0.1mV)またはST下降(≧0.2mV)が認められた患者。
【除外基準】心原性ショック,抗血栓療法に禁忌。
治療法 t-PA(duteplase)投与+従来治療群(56例)と緊急PTCA施行群(47例)にランダム化(胸痛持続時間:<4時間 vs ≧4時間,梗塞部位:前壁 vs その他で層別化)。
t-PA群:t-PA 60万U/kgを4時間以上で投与(胸痛発現から平均232±174分後)。heparin 5,000Uボーラス静注後,5日間継続静注(部分トロンボプラスチン時間をコントロールの2~2.5倍に維持するよう用量補正)。引き続きheparin 12,500Uを12時間ごとに退院時まで皮下注。
緊急PTCA施行群:heparin 5,000Uボーラス静注後,冠動脈造影を実施。施術前に梗塞部位にheparin 1万U追加静注。施術後はheparinを5日間静注。胸痛発現から最初のバルーン拡張まで平均277±144分。狭窄率<50%の正常な灌流回復を成功とした。
全例に緊急治療室にてaspirin 162.5mgをかみ砕いて投与し,その後退院時まで経口aspirin 162.5mg/日を継続投与。禁忌のない限り,速やかにβ遮断薬を投与,AMIへの標準治療は必要に応じて実施。Ca拮抗薬のルーチン投与は避けるよう指示。
追跡完了率 解析は103例(95.4%:t-PA群56例,緊急PTCA群47例)で実施。
【脱落理由】造影剤の非投与(3例),造影施行が不可能または患者の拒否(2例)。
結果

●評価項目
緊急PTCAは45例で施行し,うち42例で成功(93%)。t-PA投与は51例で実施。入院中のPTCA再施行を要する虚血の再発は,緊急PTCA群7例(15%),t-PA群20例(36%)。
前壁梗塞患者における左室の心筋回復率は,t-PA群(22例)で27±21%,緊急PTCA群(15例)では31±21%と両群間に有意差は認められなかった(p=0.61)。その他の梗塞部位を有する患者では,各7±13%(34例),5±10%(32例)であった(p=0.47)。梗塞部位の補正後における両群間の平均回復率の差は0(p=0.98)。
6週間後の駆出率(p=0.21),6ヵ月後の再梗塞および全死亡(p=0.68)に関しても両群で有意差は認められなかった。
コストの比較では,入院費または全治療費は緊急PTCA群でわずかに抑制されたが,有意差はなし。

●有害事象
表記なし。

文献: Gibbons RJ, et al for the Mayo Coronary Care Unit and Catheterization Laboratory Groups. Immediate angioplasty compared with the administration of a thrombolytic agent followed by conservative treatment for myocardial infarction. N Engl J Med 1993; 328: 685-91. pubmed
関連トライアル Barbash GI et al, GUSTO IIb 1997, PACT, PAMI, Ribeiro EE et al, TAMI 1 1987, TAMI 5 1991, TAMI 6, TIMI II 1989, TIMI IIA 1988, TIMI IIA 1990, TIMI IIIB 1994, TIMI IIIB 1995, Zijlstra F et al
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