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Zijlstra F et al A comparison of immediate coronary angioplasty with intravenous streptokinase in acute myocardial infarction
結論 急性心筋梗塞(AMI)患者への緊急PTCA施行では,streptokinase(SK)静注に比し梗塞関連動脈の開存率が高く,重度の残存狭窄病変が少なく,左室機能も良好でかつMIおよび心筋虚血の再発抑制に優れることが示された。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者における緊急PTCA施行とstreptokinase(SK)静注の効果を比較検討。
デザイン ランダム化,intention-to-treat解析。
セッティング オランダ。
期間 追跡期間は平均82日(退院まで)。登録期間は1990年8月~1992年2月。
対象患者 142例。年齢<76歳。AMIの徴候が30分以上継続し,ECG所見で隣接した2つ以上の誘導でST上昇(>1mm)が認められる患者,発症から6時間以内(虚血症状が継続している場合は6~24時間以内)。(CABG施行歴,Q波または非Q波梗塞,心原性ショックの既往は除外としなかった。)
【除外基準】抗凝固療法に禁忌,脳卒中または他の頭蓋内疾患,最近の外傷または外科手術,治療抵抗性高血圧症,活動性のある出血,心肺蘇生に時間を要した患者。
治療法 SK投与群(72例:150万Uを1時間で静注)と緊急PTCA施行群(70例)にランダム化。
全例にaspirin 300mg静注,続いて経口aspirin 300mg/日 とnitroglycerin静注(SBP値を110mmHgに維持)。heparinを2日以上静注(活性化部分トロンボプラスチン時間を正常値の2~3倍に維持)。lidocaine,Ca拮抗薬,β遮断薬の投与は担当医の裁量に任せた。登録からSK静注開始までの平均時間は30±15分,最初のバルーン拡張までは平均61±22分。
退院時に左室駆出率(LVEF),定量的冠動脈造影(QCA)による狭窄率を測定。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
重度の多枝疾患患者を含む5例を除いた65例に緊急PTCAを施行し,64例(98%)で成功。
虚血再発はSK群27例(38%),緊急PTCA群6例(9%)と緊急PTCA施行群で有意に抑制された(p<0.001)。安定狭心症の発症率は両群で同等であったが,不安定狭心症およびMI再発は緊急PTCA群で有意に減少した(不安定狭心症:4例 vs 14例,p=0.02,MI再発:0例 vs 9例,p=0.003)。PTCA再施行もSK群で多かった(3例 vs 22例,p<0.001)。
退院時の生存者138例において測定した安静時LVEFは緊急PTCA群で平均51±11%,SK群では平均45±12%であり(p=0.004),梗塞関連動脈の開存率も各91%,68%(p=0.001)といずれも緊急PTCA群で有意に良好であった。QCAによる狭窄率は,緊急PTCA群36±20%に対し,SK群は76±19%と有意差が認められた(p<0.001)。

●有害事象
SK群では死亡,出血,心不全といった合併症の発症率が緊急PTCA群に比し高かった。

文献: Zijlstra F, et al. A comparison of immediate coronary angioplasty with intravenous streptokinase in acute myocardial infarction. N Engl J Med 1993; 328: 680-4. pubmed
関連トライアル Anderson JL et al 1983, Barbash GI et al, GUSTO IIb 1997, GUSTO-I 1993, I.S.A.M. Study, Khaja F et al, Mayo Coronary Care Unit and Catheterization Laboratory, PACT, PAMI, Ribeiro EE et al, TAMI 1 1987, TAMI 6, TIMI IIA 1988, TIMI IIA 1990, WWICT
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