抗血栓トライアルデータベース
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EMIP European Myocardial Infarction Project
結論 心筋梗塞(MI)が疑われる患者への,設備の整った,また十分に経験を有するmobile emergency medical staffによる入院前の血栓溶解療法施行は,有効かつ安全であることが示された。

目的 急性心筋梗塞(AMI)が疑われる患者において,血栓溶解療法anistreplase(APSAC)の入院前治療と入院後治療の有用性と安全性を比較検討。
一次エンドポイント:30日後の総死亡。
デザイン ランダム化,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(16ヵ国,163施設)。
カナダ,欧州15ヵ国(オーストリア,ベルギー,デンマーク,フィンランド,フランス,ドイツ,ギリシャ,イタリア,ラトビア,ルクセンブルク,ポルトガル,ロシア,スペイン,スイス,イギリス)。
期間 追跡期間は30日間。登録期間は1988年10月~1992年1月。
対象患者 5,469例。平均年齢61歳。MI様症状発現後6時間以内の入院患者。
【除外基準】経口抗凝固療法を受けている患者(aspirin,dipyridamoleなどの抗血小板薬は除外せず),出血性素因または活動性の消化性潰瘍,過去6ヵ月以内の脳卒中・手術・重篤な外傷,SBP>200mmHgまたはDBP>120mmHg,過去2週間以内のPTCA施行歴など。
治療法 入院前治療群(2,750例:入院前にAPSAC 30U静注,入院後プラセボ静注)と入院治療群(2,719例:入院前にプラセボ静注,入院後APSAC 30U静注)にランダム化。併用治療は抗凝固療法を除いて,担当医の裁量に任せた。
追跡完了率 治療完了率は90.7%(4,961/5,469例)。
【脱落理由】入院前投与のみ,院内投与開始前の死亡など。
結果

●評価項目
入院前治療群は,入院治療群よりも55分(中央値)早く血栓溶解療法を施行。一次エンドポイント(30日後の総死亡)発生率は,入院前治療群での有意な低下は認めなかったが(入院前治療群9.7% vs 入院治療群11.1%:リスク減少率13%,p=0.08),心疾患による死亡は入院前治療群で有意に抑制された(8.3% vs 9.8%:リスク減少率16%,p=0.049)。

●有害事象
入院前治療群では,心室細動(p=0.02),ショック(p<0.001),症候性低血圧症(p<0.001),症候性徐脈(p=0.001)などの有害事象が入院前に多く発生したが,症候性低血圧症を除いて発症率に差はみられなかった。

文献: [main] The European Myocardial Infarction Project Group. Prehospital thrombolytic therapy in patients with suspected acute myocardial infarction. N Engl J Med 1993; 329: 383-9. pubmed
関連トライアル CLARITY-TIMI 28, DUCCS 1, GREAT, GUSTO IIb 1997, GUSTO-I 1993, LATE 1996, PAMI, PRISM-PLUS 1998, Schofer J et al, SHOCK, SWIFT, TIMI 4, WARIS 1990
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