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HART 1990 Heparin-Aspirin Reperfusion Trial
結論 rt-PAによる血栓溶解療法後の冠動脈開存率は,低用量aspirin(経口)よりもheparin静注投与のほうが有効であることが示された。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者に対する血栓溶解療法(rt-PA)が行われた後の補助療法として,抗凝固薬heparinと抗血小板薬aspirin(低用量)の有効性を比較検討。
一次エンドポイント:7~24時間後と7日後の梗塞関連動脈の開存性。二次エンドポイント:入院中の出血性イベントおよび虚血症状の再発。
デザイン ランダム化,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設。アメリカ。
期間 追跡期間は7日間。登録期間は1987年9月~1989年9月。
対象患者 205例。年齢<76歳(平均56歳)。AMI様の胸痛発現から6時間以内。隣接した2誘導以上でのST上昇(≧0.1mV)が認められる症例。
【除外基準】重篤な高血圧症,脳血管疾患,出血障害,左脚ブロック,CABG施行歴,最近の手術または時間を要した心肺蘇生術の施行歴など。
治療法 heparin投与群(106例:5,000Uボーラス投与後,1,000U/時で点滴静注)とaspirin投与群(99例:80mg/日)にランダム化。
全例にrt-PA 6mgボーラス投与後,54mgを1時間で静注。その後,20mgを1時間,5mgを4時間ごとに静注(総投与量100mg)。heparinまたはaspirin投与はrt-PA投与と同時に開始し,7日間継続。heparin群では,部分トロンボプラスチン時間をコントロールの1.5~2倍を維持するよう用量調整。
追跡完了率 試験薬投与中止は5例(2.4%)。
【脱落理由】心室細動または頻拍(3例),消化管出血,死亡(各1例)。
結果

●評価項目
治療開始7~24時間後の開存率は,heparin群82%(82/100例),aspirin群52%(48/93例)とheparin群で有意であった(p<0.0001)。開存度の比較では,heparin群ではTIMI grade 2が32%,TIMI grade 3が68%であったのに対し,aspirin群では各40%,60%であった。最初の開存を7日後も維持していたのは,heparin群で88%(53/60例),aspirin群では95%(36/38例)と有意差なし。

●有害事象
出血性イベント(heparin群18例,aspirin群15例),心筋虚血の再発(8例 vs 2例)に両群に差はみられなかった。総死亡率は,heparin群1.9%,aspirin群4.0%。

文献: [main] Hsia J, et al for the Heparin-Aspirin Reperfusion Trial (HART) Investigators. A comparison between heparin and low-dose aspirin as adjunctive therapy with tissue plasminogen activator for acute myocardial infarction. N Engl J Med 1990; 323: 1433-7. pubmed
関連トライアル ASSET, Bleich SD et al, CLARITY-TIMI 28, COBALT, DUCCS 1, DUCCS-II, ECSG 1992, ECSG-RTPA, ESSENCE 1997, GISSI-2 and the International Study, GUSTO IIb 1997, GUSTO-I 1993, GUSTO-I 1993, GUSTO-I 1995, HART 1992, IMPACT-AMI, LATE 1993, Neri Serneri GG et al, NHFACT, PACT, PAMI, RAPID II, RISC 1990, TAMI 1 1987, Théroux P et al 1988, Théroux P et al 1992, TIMI 4, TIMI 5, TIMI I 1988, TIMI II 1989, TIMI II Pilot and Randomized Clinical Trial
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