抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
WWICT Western Washington lntraCoronary streptokinase Trial
結論 急性心筋梗塞(AMI)患者へのstreptokinase(SK)冠動脈内注入は1年後の全死亡を有意に抑制したが,本効果は血栓溶解療法によって冠動脈の再灌流が得られた患者に限定された。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者においてstreptokinase(SK)冠動脈内注入の有効性を検討。
デザイン ランダム化,非盲検。
セッティング 多施設(14病院)。アメリカ。
期間 追跡期間は12ヵ月。登録期間は1981年7月~1983年2月。
対象患者 250例。年齢<75歳,梗塞発症から12時間以内,超急性または急性梗塞を示唆するECG所見の認められる症例。
【除外基準】生命に危険のある重篤な疾患(AMI除く),抗凝固薬に禁忌,うっ血性心不全の治療中。
治療法 全例に冠動脈造影,一部には左室造影を実施し,責任血管に完全または部分閉塞の認められた250例をSK投与群(134例)と対照群(116例)にランダム化。
SK群:胸痛発現後,約4.5時間にSK 4,000U/分を冠動脈小孔または冠動脈遠位よりカテーテルにて注入,または血管の遠位部より酵素濃度を高く保ちつつ15秒ごとに1mLをボーラス静注。平均286,000±77,800Uを72±24分で投与。heparinは継続投与し,退院までwarfarinによる抗凝固治療を継続。再灌流が得られた場合は,退院後3ヵ月間の抗凝固治療の継続を推奨。
対照群:冠動脈造影直後にheparin投与,その後warfarinによる抗凝固治療を入院期間中継続。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
試験開始30日後の全死亡はSK群5例,対照群13例(3.7% vs 11.2%,p=0.02),1年後では11例,17例(8.2% vs 14.7%,p=0.10)であった。SK群では,低駆出率(EF),多枝疾患患者において有意に死亡率が高かった(各p=0.001,p=0.04)。対照群では低EF,低血圧症または心原性ショックの既往患者において有意に死亡率が高かった(各p<0.0001,p=0.004)。ロジスティック回帰分析により両群間のベースライン時のEF,梗塞部位の補正後では,1年後の全死亡率に有意差が認められた(p=0.03)。
SK群では完全再灌流が80例,部分再灌流が13例で得られたが,41例では認められなかった。1年後の死亡は各2/80例(2.5%),3/13例(23.1%),6/41例(14.6%)と灌流達成例で有意に抑制された(p=0.008)。部分再灌流例と非再灌流例における12ヵ月後の死亡率は同等(p>0.90)。ベースライン時の臨床状態,血行動態,血管造影上の所見は再灌流達成の予測因子とはなりえなかった。

●有害事象
表記なし。

文献: [main] Kennedy JW, et al. The Western Washington randomized trial of intracoronary streptokinase in acute myocardial infarction: A 12-month follow-up report. N Engl J Med 1985; 312: 1073-8. pubmed
関連トライアル Anderson JL et al 1983, Anderson JL et al 1984, GUSTO-I 1993, GUSTO-I 1994, GUSTO-I 1995, I.S.A.M. Study, Khaja F et al, Ribeiro EE et al, Rogers WJ et al, Zijlstra F et al
関連記事