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Anderson JL et al 1983 A randomized trial of intracoronary streptokinase in the treatment of acute myocardial infarction
結論 streptokinase(SK)冠動脈内注入は,早期における急性心筋梗塞(AMI)の臨床経過に明らかにベネフィットを有することが示された。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者において,streptokinase(SK)による経皮的冠動脈血栓溶解療法(PTCR)の臨床経過に対する効果を従来療法と比較検討。
デザイン ランダム化。
セッティング アメリカ。
期間 追跡期間は6週間以上。
対象患者 50例。虚血性胸痛が4時間未満継続し,心電図所見でnitroglycerin投与後も2mV以上のST上昇が認められる患者。
【除外基準】血行動態または律動が不安定で緊急カテーテル法が施行不能な患者,年齢≧80歳,血栓溶解療法に禁忌。
治療法 全例にlidocaineを入院後24時間以内に投与するなどの標準的治療を実施(鎮痛薬はmorphineを使用,必要に応じてoxygenおよびnitroglycerin,利尿薬,β遮断薬を投与)。
SK投与群(24例)と対照群(26例:標準的治療を実施)にランダム化。試験薬は胸痛発現後3時間以内の投与。
対照群:heparin 5,000Uを12時間ごとに皮下投与(退院まで),その後抗血小板療法を実施。
SK群:早期に大腿動脈よりカテーテル法を施行し,heparin 5,000Uを静注。大動脈および左室圧を測定。責任血管の閉塞(完全または部分)確認後,nitroglycerin 0.2mgを冠動脈内注入。SK 1,000Uを生理食塩水1mLで希釈し,平均5,000U(3,000~7,000U)/分を灌流が得られるまで継続投与。その後,SK平均3,000U(2,000~4,000U)を冠動脈内の血栓除去を目的に30~60分継続投与。subtotal occlusionに対してはSK 10万U静注。冠動脈血管造影を10~15分間隔で実施。heparin投与(3日間:部分トロンボプラスチン時間をコントロールの2~3倍を目標に用量調整)後,抗血小板療法aspirin 600mg+dipyridamole 150mg/日(分2)を3ヵ月継続して実施。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
再灌流達成はSK群で19例(79%)。Killip分類はSK群で有意に改善された(最大Killip分類:SK群1.4 vs 対照群2.1,p<0.01)。投与初日と10日後の生存者における駆出率の変化はSK群で有意に改善され(+3.9% vs -3.0%,p<0.01),心エコー測定による壁運動指数もSK群で良好であった(p<0.01)。SK群では投与開始3時間後にECG所見に急激な変化が認められたが,10日後におけるST上昇(p<0.01),R波下降(p<0.001),Q波上昇(p<0.01)は対照群で有意であった。
血清酵素濃度がピーク値に達する時間はSK群で短縮され,またmorphine使用量はSK群で有意に少なかった(平均3.7mg vs 18.6mg,p<0.001)。

●有害事象
早期および遠隔期の左室不整脈への効果は両群で差はみられなかった。冠動脈バイパス術施行はSK群7例,対照群2例(p=0.05)。死亡は各1例,4例であり,主因は心肺機能不全であった。

文献: Anderson JL, et al. A randomized trial of intracoronary streptokinase in the treatment of acute myocardial infarction. N Engl J Med 1983; 308: 1312-8. pubmed
関連トライアル Anderson JL et al 1984, I.S.A.M. Study, Khaja F et al, Ribeiro EE et al, Rogers WJ et al, WWICT, Zijlstra F et al
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