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Khaja F et al Intracoronary fibrinolytic therapy in acute myocardial infarction. Report of a prospective randomized trial
結論 streptokinase(SK)投与はプラセボに比し再灌流に有効であるが,冠動脈血流回復による左室機能の改善効果は認められなかった。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者において,血栓溶解薬streptokinase(SK)冠動脈内注入の有効性を検討。
エンドポイント:左心室機能および駆出率(EF)。
デザイン ランダム化,プラセボ対照。
セッティング 多施設(2施設:Henry Ford Hospital,DetroitまたはUniversity of Michigan Medical Center,Ann Arbor)。アメリカ。
期間 追跡期間は平均9.6ヵ月(1~14.6ヵ月)。緊急心カテーテル法および冠動脈造影の施行期間は1981年3月~1982年6月。
対象患者 40例(76例よりスクリーニング)。平均年齢56歳。胸痛発現より6時間以内に入院したAMIが疑われる患者で,舌下nitroglycerin 0.6mg服用後の心電図所見でQRSまたはST-T波異常が持続的に認められる患者。
【除外基準】出血性潰瘍または脳血管障害の既往,出血性素因を有する患者,昏睡状態の患者。
治療法 SK投与群(20例)とプラセボ群(20例)にランダム化。
SK群:25万IU(5%ブドウ糖3mLで希釈したSK 15,000IUを閉塞冠動脈に2分以上ボーラス注入後,5%ブドウ糖1mLで希釈したSK 5,000IU/分注入)を投与。対照群:5%ブドウ糖のみ投与。全例に心カテーテル法施行後からaspirin 975mg+dipyridamole 225mg/日(分3)投与。
投与前後に血管造影で左室機能を評価。多枝病変を有する患者がプラセボ群で有意に多かった(p<0.05)ことを除き,両群間のベースライン時の患者背景は同等。胸痛発生から治療開始までの平均時間はSK群で5.4時間,プラセボ群で4.6時間。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
再灌流達成例はSK群12例(60%),プラセボ群2例(10%)とSK群で有意に高かった。投与前後に測定した左室機能,血管造影によるEF,局所壁運動,および12日後,5ヵ月後の放射性核種によるEFは,両群間および再灌流達成群と非達成群間で有意差は認められなかった。
再灌流達成群と非達成群のベースライン時との比較では,酵素値が最大になるまでの時間に有意差が認められたが(達成群16.8時間 vs 非達成群23.8時間,p<0.02),年齢,臨床症状,梗塞部位などに関しては差はみられなかった。24時間以内の胸痛再発は,再灌流達成群2例(15%),非達成群17例(68%)と達成群で有意に抑制された(p<0.001)。

●有害事象
初回入院時にSK群1例,プラセボ群5例で冠動脈バイパス術を施行し,重篤な出血性合併症はSK群においても認められなかった。全死亡はSK群1例,プラセボ群4例。

文献: Khaja F, et al. Intracoronary fibrinolytic therapy in acute myocardial infarction: Report of a prospective randomized trial. N Engl J Med 1983; 308: 1305-11. pubmed
関連トライアル Anderson JL et al 1983, Anderson JL et al 1984, Gent AE et al 1968, GUSTO-I 1993, I.S.A.M. Study, Rogers WJ et al, WWICT, Zijlstra F et al
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