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SYMPHONY Sibrafiban versus Aspirin to Yield Maximum Protection from Ischemic Heart Events Post-acute Coronary Syndromes
結論 急性冠症候群(ACS)患者における虚血イベントの二次予防において,血小板GPIIb/IIIa受容体拮抗薬sibrafibanのaspirinを超える有効性は認められず,またsibrafibanは用量依存性に出血リスクを高めることが示された。

目的 急性冠症候群(ACS)イベント発生から7日以内の患者に,90日後まで経口血小板GPIIb/IIIa受容体拮抗薬sibrafibanを継続投与した場合の抗血小板薬aspirinとの心血管イベント抑制効果を比較検討。
一次エンドポイント:90日後の全死亡+非致死性梗塞または再梗塞,あるいは重篤な再発性虚血の複合。
デザイン ランダム化,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(33ヵ国・地域,670施設)。
アルゼンチン,オーストラリア,ベルギー,ブラジル,ブルガリア,カナダ,中国,チェコ,デンマーク,フィンランド,フランス,ドイツ,ギリシャ,香港,ハンガリー,アイスランド,イスラエル,メキシコ,オランダ,ニュージーランド,ノルウェー,ポーランド,ポルトガル,ルーマニア,シンガポール,南アフリカ,スペイン,スウェーデン,スイス,台湾,タイ,イギリス,アメリカ。
期間 追跡期間は91日(中央値)。登録期間は1997年8月~1998年10月。
対象患者 9,233例。51~69歳(平均60歳)。ACSイベント発生から7日以内で,登録前12時間から臨床症状が安定している症例(Killip分類II以下,虚血症状の持続が認められない)。20分以上継続する胸痛または狭心症様症状を有し,以下の条件を1つ以上満たす症例:クレアチンキナーゼ(CK)-MB値>正常上限値,総CK値>正常上限値の2倍,CK値測定が不可能な場合はトロポニンIまたはT値>正常上限値,あるいはST上昇または低下(0.05mV),新規の左脚ブロック。
【除外基準】重篤な疾患,出血性素因,大手術施行予定,脳卒中または頭蓋内出血の既往歴など。
治療法 aspirin 160mg/日(分2)経口投与群(3,089例:対照群),sibrafiban低用量投与群(3,105例),sibrafiban高用量投与群(3,039例)にランダム化。sibrafiban群:3.0mg,4.5mg,または6.0mgを体重,クレアチニン値を考慮したモデルに基づき,25%以上の安定血小板凝集抑制(低用量群),あるいは50%以上の抑制(高用量群)を達成するよう計画して投与。
PCI(経皮的冠動脈インターベンション)施行時または施行後におけるaspirin(オープンラベル)以外の経口抗血小板薬の投与は禁止。インターベンションあるいはその他の薬剤投与に関しては担当医の判断に委ねた。
1998年5月にプロトコールの一部を変更:1)sibrafiban低用量群でステント植込みを施行した患者には,ticlopidine 500mg/日(分2)を追加投与。2)中間解析(最初の2,100例)により,aspirin(対照)群でのイベント発生率が予測より12%低かったことから,安全委員会により対象症例数をさらに1,000例/群増加することが推奨された。
追跡完了率 プロトコール遵守率は78.2%(aspirin群80.8%,sibrafiban低用量群77.7%,sibrafiban高用量群76.2%)。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
一次エンドポイント発生率は3群間に有意差は認められなかった[aspirin群302例(9.8%),sibrafiban低用量群310例(10.1%),高用量群303例(10.1%):aspirin群 vs sibrafiban低用量群または高用量群とも:オッズ比1.03;95%CI 0.87-1.21]。
1998年5月の中間解析において,sibrafiban低用量群におけるステント血栓症の発症率が対照群に比し有意に高かったが[11/312例(3.5%)vs 4/354例(1.1%),p=0.038],低用量群へのticlopidine追加投与後は,aspirin群および高用量群と同等であった[7/425(1.6%)vs 9/417(2.2%),8/396(2.0%)]。90日後のステント血栓症の発症率も3群間で差はみられなかった(aspirin群1.7%,sibrafiban低用量群2.4%,高用量群2.3%)。

●有害事象
主要な出血の発生は,sibrafiban高用量群171例(5.7%)とaspirin群120例(3.9%),低用量群159例(5.2%)より多かった(aspirin群 vs 低用量群:オッズ比1.34,95%CI 1.05-1.71,vs 高用量群:1.48,1.17-1.88)。また,脳卒中の発症率も3群間で差はみられなかった(aspirin群0.81%,sibrafiban低用量群0.84%,高用量群0.56%)。

文献: [main] The SYMPHONY Investigators. Comparison of sibrafiban with aspirin for prevention of cardiovascular events after acute coronary syndromes: a randomised trial. Lancet 2000; 355: 337-45. pubmed
関連トライアル ACUITY bivalirudin, ACUITY GP IIb/IIIa inhibitors , APPRAISE-2, ATLAS ACS-TIMI 46 , CARS, CURRENT-OASIS 7 undergoing PCI, EPILOG 1997, ESPRIT 2000, EXCITE, FRISC, GUSTO IV-ACS, IMPACT-AMI, OPUS-TIMI 16, PARAGON-A, PCI-CURE, PERFORM, PPP, PRISM, PRISM-PLUS 1998, PURSUIT 1998, RAPPORT, RESTORE, Schulman SP et al, Simpfendorfer C et al, TACTICS-TIMI 18 2001, TRITON-TIMI 38 discharge aspirin dose
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