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ESPRIT 2000 Enhanced Suppression of the Platelet IIb/IIIa Receptor with Integrilin Therapy
結論 冠動脈ステント施行例における血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬eptifibatideのルーチン投与は,虚血性合併症の発症を有意に抑制し,従来の治療法よりも有効であることが示された。

目的 冠動脈ステント植込み施行例において,血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬eptifibatide高用量投与による予後改善効果を検討。
一次エンドポイント:ランダム化後48時間以内の死亡+心筋梗塞(MI)+標的血管における緊急血行再建術+血栓性合併症に対するGP IIb/IIIa受容体拮抗薬(実薬)治療の複合。二次エンドポイント:30日後の死亡+MI+標的血管における緊急血行再建術の複合。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,クロスオーバー,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(2ヵ国,92施設)。アメリカ,カナダ。
期間 追跡期間は30日。登録期間は1999年6月~2000年2月。
対象患者 2,064例。54~71歳(中央値62歳)。冠動脈疾患によりステント植込みによるPCI(経皮的冠動脈インターベンション)施行予定例。
【除外基準】ランダム化前24時間以内のMI,緊急PCI施行を要する持続性胸痛,過去90日以内のPCI施行,標的病変におけるステント植込み施行歴,ランダム化前30日以内の血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬またはthienopyridine投与歴,あるいは脳卒中または一過性脳虚血発作の既往,脳出血の既往,ランダム化前30日以内の出血性素因または出血異常の既往,過去6ヵ月以内の大手術,コントロール不能な高血圧症(SBP>200mmHgまたはDBP>110mmHg)など。
治療法 ランダム化当日に全例にaspirinおよびthienopyridine(ticlopidineまたはclopidogrel)投与。PCI施行直前にeptifibatide投与群(1,040例)とプラセボ群(1,024例)にランダム化。
eptifibatide群:180μg/kgを10分間隔で2回ボーラス投与,初回投与後から2.0μg/kg/分(血清クレアチニン値>177μmol/Lの場合は1.0μg/kg/分)を18~24時間持続静注。
用量調整heparin(初回投与60U/kg:最大6,000U)投与を推奨(活性化凝固時間を200~300秒に維持)。PCI施行後のheparin投与は推奨せず。B)PCI施行日のticlopidineまたはclopidogrel投与は許可(施行前投与は禁止)。
追跡完了率 48時間後の完全データ入手可能は1,758例(85.2%),30日後では1,384例(67.1%)。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
[A,B)1,758例(eptifibatide群879例,プラセボ群879例)の中間解析により,eptifibatide群で48時間後の死亡+MIの有意な抑制が認められ(4.9% vs 8.6%,相対リスク減少率43%,p=0.0017),また1,384例(eptifibatide群687例,プラセボ群697例)での30日後の死亡+MIもeptifibatideで有意に減少した(5.2% vs 9.9%,p=0.0011)。以上の結果から,2002年2月に予定より早期に終了された。]
一次エンドポイント発生は,eptifibatide群69例(6.6%),プラセボ群108例(10.5%)とeptifibatide群で有意に抑制された(相対リスク0.63,95%CI 0.47-0.84,p=0.0015)。二次エンドポイントもeptifibatide群71例(6.8%),プラセボ群107例(10.5%)とeptifibatide群で有意に減少(相対リスク0.65,95%CI 0.49-0.87,p=0.0034)。eptifibatide群のイベント抑制効果は,サブグループ(年齢,性別,体重,糖尿病,病態別)間でも示された。

●有害事象
重大な出血の発生はまれであったが,プラセボ群(0.4%)に比しeptifibatide群(1.3%)で高く(p=0.027),活性化凝固時間の高値群でその傾向が強くみられた。

文献: [main] A)The ESPRIT investigators. Novel dosing regimen of eptifibatide in planned coronary stent implantation (ESPRIT): a randomised, placebo-controlled trial. Lancet 2000; 356: 2037-44.
[bibliographic] B)O'shea JC, et al. Design and methodology of the ESPRIT trial: evaluating a novel dosing regimen of eptifibatide in percutaneous coronary intervention. Am Heart J 2000; 140(6): 834-9. pubmed
関連トライアル ACUITY bivalirudin, EPIC 1994, EPIC 1997, EPILOG 1997, EPILOG 1998, EPISTENT 1998, EPISTENT 1999, EPISTENT 1999, EPISTENT 1999, ESPRIT 2001, GUSTO IV-ACS, IMPACT-AMI, IMPACT-II 1997, IMPACT-II 1998, Kereiakes DJ et al 1996, PURSUIT 1998, RESTORE, SEPIA-ACS1 TIMI 42, SYMPHONY, TARGET
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