抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
FRISC Fragmin during Instability in Coronary Artery Disease
結論 不安定冠動脈疾患(CAD)発症後6日以内のLMWH+aspirin併用投与は心イベントのリスクを有意に抑制し,かつ患者のリスクの層別化や長期投与の選択に有用であることが示されたことから,本治療が推奨される。侵襲的治療の代替療法または併用治療としてのLMWH長期投与については,さらなるエビデンスが必要とされる。

目的 不安定狭心症または非Q波心筋梗塞(MI)患者において,抗凝固薬低分子量heparin(LMWH)をaspirinおよび抗狭心症薬と併用した際の心イベント抑制効果を比較検討。
一次エンドポイント:6日後の死亡および新規のMI。二次エンドポイント:40~150日後の死亡および新規のMI,血行再建術施行,heparin投与の必要性。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(23病院)。スウェーデン。
期間 追跡期間は150日。1992年4月試験開始。
対象患者 1,506例。年齢≧40歳(40~90歳)。不安定冠動脈疾患(CAD)患者(不安定狭心症または非Q波MI)。胸痛発現から72時間以内。
【除外基準】出血リスクの増加(過去3ヵ月以内の脳内出血,過去5年以内の潰瘍または消化管出血,外科手術施行歴,腎または肝不全,血栓溶解療法への明らかな適応,新規のQ波または左脚ブロック,PTCAまたはCABG施行予定あるいは3ヵ月以内の施行歴,コントロール不能の高血圧症または低血圧症など。
治療法 低分子量heparin(LMWH)投与群[746例:dalteparin 120IU/kgを1日2回(最大1万IU)で6日間皮下投与後,7,500IU/日を35~45日間皮下投与]とプラセボ群(760例)にランダム化。
禁忌でない限り,aspirin 75mg/日(初回投与は300mg/日)とβ遮断薬,必要であればCa拮抗薬,硝酸薬を併用。
追跡完了率 脱落率は36.0%(542例:LMWH群268例,プラセボ群274例)。
【脱落理由】heparin静注および/または再血行再建術施行(229例),患者の希望(147例),血栓溶解療法施行またはQ波MI発症(59例),重篤な有害イベント(31例)など。
結果

●評価項目
一次エンドポイント発生は,LMWH群で13例(1.8%),プラセボ群で36例(4.8%)とLMWH群で有意に抑制された(リスク比0.37,95%CI 0.20-0.68)。heparin投与の必要性および血行再建術施行率もLMWH群で有意に減少した(各3.8% vs 7.7%:リスク比0.49,p=0.001,0.4% vs 1.2%:0.33,p=0.07)。これらの複合エンドポイント発生においても,LMWH群で有意な抑制が認められた(5.4% vs 10.3%:リスク比0.52,p<0.001)。40日後では非喫煙者(6.6% vs 11.1%,リスク比0.60),非Q波MI(8.0% vs 14.5%,0.54),BMI<26kg/m3(6% vs 10.8%,0.53)においてはLMWH群の抑制効果の持続がみられたが,4~5ヵ月後では有意差は認められなかった。

●有害事象
投与開始後6日間における大出血の発生率は,LMWH群6例(0.8%),プラセボ群4例(0.5%)と有意差は認められなかったが,軽度の出血(主に投与部位における皮下血腫)は特に6日間においてLMWH群で多かった(8.2% vs 0.3%)。

文献: [main] Fragmin during Instability in Coronary Artery Disease (FRISC) study group. Low-molecular-weight heparin during instability in coronary artery disease. Lancet 1996; 347: 561-8. pubmed
関連トライアル ASPECT, ATACAS, ATACS, ATOLL, CARS, CLARITY-TIMI 28, Elwood PC et al 1979, ESSENCE 1997, ESSENCE 2000, FRAMI, FRAX.I.S, FRIC, FRISC II 1999, FRISC II 2000, Gurfinkel EP et al, IST 1997, Neri Serneri GG et al, OASIS Pilot Study 1998, OASIS-2, PARAGON-A, PCI-CURE, Pfisterer M et al, PRISM, PRISM-PLUS 1998, PRISM-PLUS 1999, RISC 1990, RISC 1991, SAPAT, SCATI, Sixty Plus Reinfarction Study, SYMPHONY, TACTICS-TIMI 18 2001, Telford AM et al, TIMI 11B, TIMI IIIB 1995, TRIM
関連記事