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ASPECT Anticoagulants in the Secondary Prevention of Events in Coronary Thrombosis
結論 心筋梗塞(MI)後の低リスク患者における経口抗凝固薬の長期投与による有意な死亡抑制効果は認められなかったが,脳血管イベントやMI再発予防に有効であることが示された。

目的 急性心筋梗塞(AMI)後の死亡率と心血管イベント発生率に対する経口抗凝固薬の長期投与の有効性を検討。
一次エンドポイント:全死亡。二次エンドポイント:血管死,MI再発,脳血管イベント,血管イベント,大出血性合併症。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(60病院)。オランダ。
期間 追跡期間は6~76ヵ月(平均37ヵ月)。
登録期間は1986年9月~1991年12月。1992年6月追跡終了。
対象患者 3,404例。平均年齢61歳。MIの生存者で退院後6週間以内。
【除外基準】経口抗凝固薬投与の明らかな適応,MI診断前6ヵ月以内の抗凝固療法の実施,出血傾向の増加,冠動脈血行再建術の施行歴,悪性疾患など。
治療法 抗凝固薬投与群(1,700例:nicoumaloneまたはphenprocoumonをINR 2.8-4.8に調整投与)とプラセボ群(1,704例)にランダム化。試験期間における他の抗血栓薬投与の回避を強く推奨。
追跡完了率 全例で追跡完了(100%)。
結果

●評価項目
全死亡は抗凝固薬群で170例(10%),プラセボ群で189例(11%)と抗凝固薬群で10%低下(ハザード比0.90,95%CI 0.73-1.11)。抗凝固薬群はプラセボ群に比し,MI再発および脳血管イベントを有意に抑制した(各114例 vs 242例:ハザード比0.47,37 vs 62:ハザード比0.60)。
大出血性合併症の発生は抗凝固薬群73例,プラセボ群19例と抗凝固薬群で多かった(ハザード比3.87)。3年間のイベントのない生存率は抗凝固薬群で有意に高かった(83% vs 76%,p<0.0001)。

●有害事象
脳内出血は抗凝固薬群(17例:致死性8例)でプラセボ群(非致死性2例)に比し多くみられた。

文献: [main] Anticoagulants in the Secondary Prevention of Events in Coronary Thrombosis (ASPECT) Research Group. Effect of long-term oral anticoagulant treatment on mortality and cardiovascular morbidity after myocardial infarction. Lancet 1994; 343: 499-503. pubmed
関連トライアル ASPIRE, ATLAS ACS 2-TIMI 51, ATLAS ACS 2-TIMI 51 STEMI patients, ATLAS ACS-TIMI 46 , ATOLL, CABADAS, FRISC, GRACE hemorrhage and mortality, INSPIRE, JPPP, Lamberts M et al, OASIS-6, PCI-CURE, Physicians' Health Study 1991, Rombouts EK et al, Sixty Plus Reinfarction Study, Sørensen R et al, Torn M et al, TPT, TRA 2P-TIMI 50, TRA 2P-TIMI 50 previous myocardial infarction, WARIS 1990, WAVE
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