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Neri Serneri GG et al Effect of heparin, aspirin, or alteplase in reduction of myocardial ischaemia in refractory unstable angina
結論 不安定狭心症の発症過程において,トロンビン活性は血小板凝集よりも重要な役割を果たすことが示唆された。治療抵抗性不安定狭心症患者へのheparin継続静注は,心筋虚血の予防に対して迅速,安全,かつ有効である。

目的 治療抵抗性不安定狭心症患者において,心筋虚血予防に対する抗凝固薬heparin,抗血小板薬aspirin,血栓溶解薬alteplaseの有効性を比較検討。
デザイン ランダム化,二重盲検。
セッティング 単施設。イタリア。
期間 追跡期間は1ヵ月。
対象患者 97例(474例からスクリーニングし,プロトコール不適合例を除外)。不安定狭心症患者(安静時またはわずかな労作により起こる可逆性ST上昇または下降を伴う典型的な胸痛を有する例,または血清クレアチンキナーゼ濃度が正常値上限の2倍未満で20分以上胸痛が持続した例)。最後の胸痛発症から24時間以内に入院した例。
【除外基準】年齢>75歳。最近の胃腸管・尿生殖器出血,過去6ヵ月の出血または脳卒中の既往,過去3週間の心筋梗塞,コントロール不能な重度高血圧症,経口抗凝固薬の投与,最近の手術または外傷,aspirinおよびheparinに禁忌。
治療法 (当初のプロトコールはheparin静注投与,heparinボーラス投与,aspirin投与の3群での比較であったが,alteplaseが入手可能になった時点でコードを破り,好成績であったheparin静注とalteplaseの比較に変更した。)
プロトコール不適合の75例を除外した399例に2日間のrun-in期間を実施。全例にisosorbide dinitrate≧60mg+nifedipine≧40mg+metoprolol(禁忌のない場合)≧100mg/日を経口投与。他剤は必要に応じて投与し,ランダム化以前からの治療は試験期間も継続。run-in期間の2日目に虚血イベントを3回以上または20分以上持続する狭心症発作を1回以上発症した97例を,heparin静注投与群(21例),heparinボーラス投与群(18例),aspirin投与群(19例)にランダム化。
heparin静注群:初回投与5,000IU静注後,1,000IU/時静注,部分トロンボプラスチン時間をベースラインの1.5~2倍に維持するよう用量補正。heparinボーラス群:6時間ごとに6,000IUボーラス静注(体重<50kgでは5,000IU),ただし部分トロンボプラスチン時間がベースラインの1.5倍を超えた場合は投与間隔を延長。aspirin群:経口緩衝aspirin 325mg/日投与。
プロトコール変更後は,alteplase投与群(20例)とheparin静注群(19例)にランダム化。
alteplase群:1.75mg/kgを12時間以上静注(最初の1時間に0.75mg/kgを静注,続いて0.5mg/kgを4時間以上静注後,0.5mgを7時間静注)。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
プロトコール変更前:
heparin静注群において,狭心症発作,無症候性を含む全虚血イベント,虚血の持続時間が他群に比し有意に抑制され(p<0.001),同群のrun-in期間と試験期間の比較においても有意に減少した(p<0.001)。heparinボーラス群およびaspirin群では効果は認められなかった。
プロトコール変更後:
heparin静注群で治療後1日目に狭心症,無症候性の虚血,虚血の持続時間がそれぞれ有意に減少した(84~94%,71~77%,81~86%)。alteplase群においても狭心症発作の減少がみられたが有意ではなく,静注した当日のみで4~5日目にはベースライン時に戻った。継続モニタリング終了後に,狭心症発作がalteplase群で19例,heparin静注群で5例発生した。

●有害事象
有害事象は軽度の出血のみ。

文献: Neri Serneri GG, et al. Effect of heparin, aspirin, or alteplase in reduction of myocardial ischaemia in refractory unstable angina. Lancet 1990; 335: 615-8. pubmed
関連トライアル ATACS, ATACS-pilot, Canadian Multicenter Trial, ECSG 1992, ECSG-RTPA, ESSENCE 1997, ESSENCE 2000, FRAX.I.S, FRIC, FRISC, GISSI-2 1990, GISSI-2 and the International Study, Gurfinkel EP et al, HART 1990, Holdright D et al, IMPACT-AMI, ISIS-3, LATE 1993, NHFACT, OASIS-2, PRISM, PRISM-PLUS 1998, RISC 1990, SAPAT, Schulman SP et al, Théroux P et al 1988, Théroux P et al 1992, TIMI 11B, TIMI IIIB 1994, TRIC, TRIM, VA-pilot
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