抗血栓トライアルデータベース
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ECSG-RTPA European Cooperative Study Group for Recombinant Tissue-type Plasminogen Activator(rTPA)
結論 rt-PA投与を受けている急性心筋梗塞(AMI)患者への血管造影および緊急PTCA施行の必要性は示されなかった。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者において,従来の血栓溶解療法(rt-PA,heparin,aspirin)に緊急PTCAを加えた侵襲的治療の優位性を,薬物療法のみの非侵襲的治療と比較検討。
エンドポイント:梗塞サイズ,左心機能,臨床所見。
デザイン ランダム化。
セッティング 多施設(欧州6ヵ国,10病院)。
ドイツ,スペイン,フランス,オランダ,ベルギー,スイス。
期間 追跡期間は14日間。1986年5月登録開始。
対象患者 367例。年齢<71歳(37~68歳)。MIの疑われる患者。胸痛が30分以上持続,心電図所見でST上昇が認められ,MI発症から5時間以内に治療開始可能な患者。
【除外基準】血栓溶解療法に禁忌,同部位でのMI再発,CABG施行歴。
治療法 MI発症から5時間以内(30~294分,中央値156分)にrt-PA 100mg静注開始 (10mgボーラス投与後,50mg/時で1時間,続いて20mg/時で2時間),aspirin 250mg,heparin(5,000IUボーラス投与後,1,000IU/時で継続投与)静注。侵襲的治療群(183例)と非侵襲的治療群(184例)にランダム化。
ランダム化から6~165分後(中央値42分)に侵襲的治療群180例で血管造影を実施し,狭窄率>60%の8例およびPTCA施行が不適応な4例を除いた168例にPTCAを施行。
退院まで全例にheparin(3日後にwarfarinへの代替可),aspirin 75~125mg/隔日投与。β遮断薬,Ca拮抗薬,硝酸薬投与は許可(最終血管造影の前夜より不許可)。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
(登録予定数は400例であったが,緊急PTCAは本プロトコールにおいて有効でないことが明らかにされたため,データモニター委員会の勧告により1987年6月に早期中止された。)
緊急PTCA施行により侵襲的治療群の梗塞サイズは縮小されたが,周術期に一過性および持続性の再閉塞(各16%,7%)が認められ,術後24時間の再発性虚血の発生は侵襲的治療群で多かった(17% vs 3%)。14日後の死亡率は侵襲的治療群7%(12例),非侵襲的治療群3%(5例)であった。
10~22日後における心筋のαヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ放出量により測定した梗塞サイズ,および左室駆出率には両群間に差は認められなかった。また,10~22日後の閉塞は侵襲的治療群で23例,非侵襲的治療群では20例であったが,50%未満の狭窄は侵襲的治療群で多くみられた(106例 vs 25例)。

●有害事象
出血性合併症,低血圧症,心室細動などの臨床経過は非侵襲的治療群で良好であった。

文献: Simoons ML, et al. Thrombolysis with tissue plasminogen activator in acute myocardial infarction: no additional benefit from immediate percutaneous coronary angioplasty. Lancet 1988; 1: 197-203. pubmed
関連トライアル ASSET, Barbash GI et al, CARESS-in-AMI , CLARITY-TIMI 28, García E et al, GUSTO IIb 1997, HART 1990, ISIS-3, Neri Serneri GG et al, NRMI-2, PACT, PAMI, TAMI 1 1987, TAMI 1 1988, TAMI 5 1991, TAMI 5 1991, TIMI 5, TIMI II 1989, TIMI IIA 1988, TIMI IIA 1990, TIMI IIIB 1995
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