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EPIC 1998 Evaluation of c7E3 Fab for the Prevention of Ischemic Complications
結論 血小板減少症の発症と有害な臨床転帰および出血リスクの増加との関連性が示されたが,abciximabはプラセボに比し予後改善に有効であった。

目的 経皮的冠動脈血栓溶解療法(PTCR)を施行した高リスク患者において,血小板減少症の発症と臨床転帰との関連性,および血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬abciximab投与による影響を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照。
セッティング 多施設。
期間 追跡期間は7日(最大)。
対象患者 2,099例。年齢<80歳。PTCAまたはDCA(directional atherectomy)成功例。臨床所見または血管造影所見により急性閉塞の発症リスクが高い症例。
【除外基準】出血性合併症のリスク因子(出血性素因の既往,過去6週間以内の大手術施行歴,過去6週間以内の消化管または泌尿器出血,過去2年以内の脳卒中の既往または脳卒中による神経障害の残存,血管炎の既往)。
治療法 次の3群にランダム化。
A群(708例):abciximab 0.25mg/kgボーラス投与後,10μg/分12時間静注。B群(695例):abciximab 0.25mg/kgボーラス投与後,プラセボ12時間静注。C群(696例):プラセボ0.25mg/kgボーラス投与後,プラセボ12時間静注。ボーラス投与は施行10~60分前に実施。全例にaspirinおよびheparin静注投与。
血小板数は静注前,治療開始後30分および2,12,24時間後に測定,その後は7日目または退院時まで1日1回測定。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
入院中に血小板減少症(nadir血小板数<100×109/L)を発症したのは全例中81例(3.9%)で,うち19例(0.9%)は重度(nadir血小板数<50×109/L)であり,A群(各5.2%,1.6%)でBおよびC群の複合に比し有意に多かった(各p=0.020,p=0.025)。血小板減少症発症までの時間(中央値)は,abciximab投与群で短縮された(A群0.50日,B群1.03日,C群1.68日,A群 vs C群:p=0.100)。急性血小板減少症の発症もA群でBおよびC群の複合に比較して有意に多く(p=0.002),急性超血小板減少症はA群のみで2例であった。
治療のタイプにかかわらず,血小板減少症発症例において非発症例に比し,死亡,MI,バイパス術施行などの臨床転帰が良好ではなかったが,発症例における30日後の臨床転帰をabciximab投与群とプラセボ群で比較したところ,MI発症およびCABG施行はabciximab投与群で有意に抑制された(各p<0.0001,p<0.001)。
多変量ロジスティックモデルにより,ベースライン時の血小板数の少なさ,高齢および低体重が血小板減少症の予測因子となることが示された。また,ロジスティック回帰モデルでは,abciximabボーラス+静注の治療法が有意な予測因子であり(p=0.016),その他の治療法やベースライン時のリスク因子補正後もその有意性は変わらなかった(p=0.0077)。

●有害事象
出血の発生および赤血球輸血の必要性においても,abciximab群で有意な減少がみられ(各p=0.046,p=0.018),主要な出血も有意に抑制された(43.1% vs 69.6%,p=0.030)。

文献: [substudy] Berkowitz SD, et al for the Evaluation of c7E3 for the Prevention of Ischemic Complications (EPIC) Study Group. Occurrence and clinical significance of thrombocytopenia in a population undergoing high-risk percutaneous coronary revascularization. J Am Coll Cardiol 1998; 32: 311-9. pubmed
関連トライアル AbESTT, AbESTT-II, EASY, ECSG-UA, EPIC 1994, EPIC 1994, EPIC 1995, EPIC 1995, EPIC 1996, EPIC 1997, EPIC 1997, EPIC 1998, EPILOG 1997, GUSTO IV-ACS, JEPPORT, RAPPORT, TARGET
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