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Gurfinkel EP et al Low molecular weight heparin versus regular heparin or aspirin in the treatment of unstable angina and silent ischemia
結論 急性期の不安定狭心症患者において,高用量の低分子量heparin+aspirin併用は,aspirin単独または通常のheparin+aspirin併用に比較して,明らかにイベント抑制に優れていることが示された。

目的 急性期の不安定狭心症患者において,高用量の低分子量heparin(nadroparin:LMWH)+aspirin併用,aspirin単独,通常のheparin+aspirin併用によるイベント抑制効果を比較検討。
一次エンドポイント:狭心症の再発,急性心筋梗塞(AMI),緊急血行再建術(冠動脈形成術またはバイパス術)施行,大出血,死亡。二次エンドポイント:無症候性心筋虚血,軽度の出血。
デザイン ランダム化,単盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 単施設。アルゼンチン。
期間 追跡期間は7日。登録期間は1993年5月~1994年7月。
対象患者 211例。不安定狭心症による安静時の急性胸痛発現後24時間以内(平均6.17時間)のCCU入室患者。
年齢>21歳,不安定狭心症(最近発症あるいは過去24時間以内に安静時胸痛が10分以上持続),以下の1つ以上を満たす虚血性心疾患:1)心電図所見における虚血性変化,2)MI既往,3)冠動脈バイパス術の施行歴,4)典型的な労作性狭心症の既往,5)過去の冠動脈造影所見における冠動脈狭窄≧70%,6)心電図所見で急性変化を伴わない安静時狭心症(2名の心臓医による診断),7)過去1ヵ月以内の運動負荷試験における狭心症症状の発現および/またはST低下など。
【除外基準】年齢≧80歳,aspirinの長期投与,急性Q波または非Q波MI,左脚ブロック,肺浮腫による狭心症,頻脈性不整脈,心臓弁膜症,急性期後または亜急性期後のMI(発症後12週以内),甲状腺中毒症,高血圧症,貧血,過去3ヵ月以内の血管形成術施行,抗凝固薬または非ステロイド性抗炎症薬への禁忌,抗凝固薬の服用など。
治療法 aspirin単独投与群(73例:A群),aspirin+heparin併用投与群(70例:B群),aspirin+nadroparin(LMWH)併用投与群(68例:C群)にランダム化。
aspirin:200mg/日経口投与。B群:heparin 5,000IUボーラス静注後,400IU/kg/日静注(活性化部分トロンボプラスチン時間がコントロールの2倍になるよう調整)。C群:nadroparin 428UIC/kg anti-Xa/日(分2)皮下注。
全例に標準的な抗狭心症薬を投与(β遮断薬,Ca拮抗薬,硝酸薬単独または併用)。入院前の薬物療法は入院後も継続し,増量または他の抗狭心症薬の追加併用によりSBP≦130mmHgかつ心拍数≦60回/分となるように調整。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
入院中の一次エンドポイント発生はA群43例(59%),B群44例(63%),C群15例(22%)で,C群でA群(オッズ比5.06,95%CI 2.28-11.39,p=0.00001)およびB群(5.63,2.50-12.81,p=0.00001)に比し有意に減少した。個々のイベントでは,狭心症再発は各27例(37%),31例(44%),14例(21%)と,C群でA群(2.26,1-5.18,p=0.03)およびB群(3.07,1.36-7.00,p=0.002)に比し有意に減少。非致死性MIはA群7例(9.5%),B群4例(6%)の発生に対し,C群では認められなかった(B群 vs A群:p=0.5,C群 vs A群:p=0.01)。緊急血行再建術施行は各9例(12%),7例(10%),1例(1.5%)で,C群でA群に比し有意に減少(p=0.01)。B群では2例(3%)に大出血が発生したが,A群およびC群では認められず,死亡は3群ともみられなかった。
入院中の二次エンドポイント発生はA群28例(38%),B群39例(56%),C群18例(26.5%)であった(C群 vs B群:オッズ比3.49,95%CI 1.61-7.64,p=0.0004,A群 vs B群:p=0.03)。このうち,無症候性心筋虚血は各28例(38%),29例(41%),17例(25%)で,C群でB群に比し有意に減少(2.12,0.97-4.69,p=0.04)。

●有害事象
軽度の出血はA群では認められなかったが,B群10例(14%),C群1例(1.5%)に発生した(B群 vs C群:p=0.01,A群 vs B群:p=0.003)。
B群で心カテーテル法に関連した合併症が9例発生したが,その他の合併症は3群でまれであった。

文献: Gurfinkel EP, et al. Low molecular weight heparin versus regular heparin or aspirin in the treatment of unstable angina and silent ischemia. J Am Coll Cardiol 1995; 26: 313-8. pubmed
関連トライアル APPRAISE-2, ATACS, ATACS-pilot, Canadian Multicenter Trial, DUCCS 1, ESSENCE 1997, ESSENCE 2000, FISS-tris, FRAX.I.S, FRIC, FRISC, Holdright D et al, Neri Serneri GG et al, OASIS Pilot Study 1997, OASIS Pilot Study 1998, OASIS-2, OASIS-5, PARAGON-A, POISE-2, PRISM, PRISM-PLUS 1998, RESTORE, RISC 1990, SAPAT, Schulman SP et al, Szummer K et al, Théroux P et al 1988, Théroux P et al 1992, TIMI 11B, TIMI 7, TIMI IIIB 1999 Database Study, TRIM, VA-main
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