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TIMI 4 Thrombolysis in Myocardial Infarction(Phase 4)
結論 急性心筋梗塞(AMI)患者において,front-loaded投与rt-PAは早期の再灌流率を高め,臨床上のベネフィットおよび生存率に関してもanistreplase(APSAC)による標準的血栓溶解療法および併用に比し有効性が高い傾向が認められた。本試験結果は,梗塞関連動脈におけるより早期の再灌流達成が予後改善に重要であることを示唆している。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者において,血栓溶解薬anistreplase(APSAC),front-loaded投与法によるrt-PAの単独または併用による血栓溶解療法の有効性を比較検討。
一次エンドポイント:退院時までの全死亡+重篤なうっ血性心不全または心原性ショック+低駆出率(EF)+再梗塞+90分後または18~36時間における血流量<TIMI grade 2+再閉塞+重大な出血+重篤なアナフィラキシーの複合。
デザイン ランダム化,二重盲検。
セッティング 多施設(2ヵ国,18施設)。アメリカ,カナダ。
期間 追跡期間は1年。1993年4月登録終了。
対象患者 382例。年齢<80歳。胸痛発現後6時間以内,30分以上継続する虚血性胸痛,心電図上の少なくとも2つの誘導でのST上昇(≧0.1mV)を認めるか,新たな左脚ブロックの出現。
【除外基準】過去2週間以内にAMI治療のためにrt-PA投与,あるいはAPSACまたはstreptokinase投与歴,経口抗凝固薬投与,左脚ブロックの既往,血栓溶解療法に禁忌[過去12ヵ月以内の出血性合併症または消化管出血,脳血管疾患の既往,脳卒中または一過性脳虚血発作の既往,コントロール不能な高血圧症(>180/110mmHg),過去3ヵ月以内の重篤な外傷など]など。
治療法 rt-PA投与群(138例)とAPSAC投与群(147例),rt-PA+APSAC併用投与群(97例)にランダム化。rt-PA群:rt-PA 15mgボーラス投与後,0.75mg/kg(50mgまで)を30分間で投与,続けて0.50mg/kg(35mgまで)を60分間で投与。APSAC群:APSAC 30Uを2~5分でボーラス投与。併用群:rt-PA 15mgボーラス投与後,0.75mg/kg(50mgまで)を30分間で投与,さらにAPSAC 20Uボーラス投与。
全例にheparin(5,000IUボーラス静注後,1,000U/時静注:活性化部分トロンボプラスチン時間をコントロールの1.5~2倍で維持)投与。aspirin投与歴がない場合は,登録後すぐにaspirin 325mgをかみ砕いて投与し,その後は325mg/日継続投与。禁忌でない限り,metoprolol静注後,経口投与。他の薬剤投与に関しては担当医の裁量による。
発症から血栓溶解療法開始までは平均3時間。
追跡完了率 6ヵ月後および1年後の追跡完了率は96%。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
60分後の梗塞関連動脈の開存率(TIMI grade 2または3)は,rt-PA群77.8%で,APSAC群59.5%,併用群59.3%に比し有意に高かった(rt-PA群 vs APSAC群:p=0.02,rt-PA群 vs 併用群:p=0.03)。90分後の開存率およびTIMI grade 3もrt-PA群で有意に高かった(TIMI grade 3:rt-PA群60.2%,APSAC群42.9%,併用群44.8%。rt-PA群 vs APSAC群:p<0.01,rt-PA群 vs 併用群:p=0.02)。
院内死亡率はrt-PA群で有意に抑制された(rt-PA群2.2% vs APSAC群8.8%:p=0.02,vs 併用群7.2%:p=0.06)。6週後の死亡率はrt-PA群2.2%で,APSAC群8.8%,併用群7.2%に比較して低かった(rt-PA群 vs APSAC群:p=0.02,rt-PA群 vs 併用群:p=0.06)。生命表分析による1年後の死亡率はrt-PA群5.3%,APSAC群11%,併用群10.5%とrt-PA群で有意に抑制された。
入院中の一次エンドポイント発生率は,rt-PA群41.3%,APSAC群49%,併用群53.6%とrt-PA群で低い傾向がみられたが,有意差は認められなかった(p=0.16)。

●有害事象
出血性イベントに関しては,rt-PA群では頭蓋内出血がみられなかったのに対し,他群で各1例ずつ認められた。重大な出血の発生率はrt-PA群1.4%に対し,APSAC群3.4%,併用群4.1%であった。主要な出血性イベントの発生もrt-PA群10.9%,APSAC群21.8%,併用群21.6%とrt-PA群で有意に抑制された(rt-PA群 vs APSAC群:p=0.01,rt-PA群 vs 併用群:p=0.02)。

文献: [main] Cannon CP, and the TIMI 4 Investigators. Comparison of front-loaded recombinant tissue-type plasminogen activator, anistreplase and combination thrombolytic therapy for acute myocardial infarction: results of the Thrombolysis in Myocardial Infarction (TIMI) 4 trial. J Am Coll Cardiol 1994; 24: 1602-10. pubmed
関連トライアル AIMS 1988, AIMS 1990, ASSET, Bleich SD et al, DUCCS 1, DUCCS-II, ECASS, ECSG 1992, EMIP, GISSI-2 Connected Study, GREAT, GUSTO-I 1993, GUSTO-I 1993, GUSTO-I 1995, HART 1990, ISIS-3, LATE 1995, LATE 1996, MINT, NHFACT, NRMI-2, PACT, RAPID II, SWIFT, TAMI 2, 3, 5 and Urokinase Trial 1994, TAMI 5 1991, TAMI 5 1992, TAMI 6, TIMI 10B, TIMI 5, TIMI II 1989, TIMI II Pilot and Clinical Trial, TIMI II Pilot and Randomized Clinical Trial, TIMI IIIA, TIMI IIIB 1995, TROICA, White HD et al
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