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TIMI 5 Thrombolysis in Myocardial Infarction(Phase 5)
結論 急性心筋梗塞(AMI)患者への抗血栓療法の補助薬として,hirudinはheparinに比し有効であることが示された。今後,さらに大規模な臨床試験での検討が必要とされる。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者に対する血栓溶解療法の補助薬としての抗トロンビン薬hirudinの効果を抗凝固薬heparinと比較検討。
一次エンドポイント:死亡または再梗塞がなく,90分および18~36時間後の冠動脈造影で梗塞責任血管にTIMI grade 3血流が得られること。
デザイン ランダム化,オープン,パイロット試験。
セッティング 多施設(14施設)。アメリカ。
期間 追跡期間は血栓溶解療法開始から90分と18~36時間。
対象患者 246例。21~75歳。AMI発症から6時間以内。胸痛が30分以上継続し,ECG所見において少なくとも2つ以上の隣接した誘導でのST上昇(≧0.1mV)または新規の左脚ブロック。
【除外基準】急性肺浮腫または心原性ショック,CABGまたは弁置換術施行歴,過去2週間以内の心臓カテーテル法または血管形成術の施行歴,過去2週間以内のAMIに対する抗血栓療法施行,最近の抗凝固療法,左脚ブロックの既往,腎不全,heparin・aspirin・t-PAに過敏症,出血性の合併症の既往,過去12ヵ月以内の消化管または肺出血,脳血管疾患(脳卒中または一過性脳虚血発作を含む)の既往など。
治療法 hirudin投与群(162例)とheparin投与群(84例)にランダム化。
hirudin群:次の4つの処方のいずれかで静注。0.15mg/kgボーラス投与後,0.05mg/kg/時。0.1mg/kgボーラス投与後,0.1mg/kg/時。0.3mg/kgボーラス投与後,0.1mg/kg/時。0.6mg/kgボーラス投与後,0.2mg/kg/時。
heparin群:heparin 5,000IUボーラス投与後,1,000IU/時(活性化部分トロンボプラスチン時間を65~90秒に維持)。hirudinまたはheparinは5日間継続投与。
全例にfront-loaded投与法によりrt-PA投与:15mgボーラス投与後,0.75mg/kg(50mgまで)を30分で静注,その後0.50mg/kg(35mgまで)を60分で静注。aspirin投与歴がない場合は,登録直後にaspirin 160mgをかみ砕いて投与,その後は160mg/日継続投与。禁忌でない限り,metoprololを静注後,経口投与。硝酸薬,Ca拮抗薬およびその他の薬剤投与に関しては,担当医の裁量に任せた。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
解析は236例(95.9%:hirudin群157例,heparin群79例)で実施。
一次エンドポイントに達したのは,hirudin群97例(61.8%),heparin群39例(49.4%)であった(p=0.07)。90分後のTIMI grade 3達成率はhirudin群64.8%,heparin群57.1%,TIMI grade 2または3達成率も各82.1%,78.6%と有意差なし。hirudinの用量による造影所見,臨床的エンドポイントに差は認められなかった。18~36時間における梗塞関連動脈の開存(TIMI grade 2または3)は,hirudin群129例(97.8%),heparin群58例(89.2%)であり(p=0.01),再閉塞率は各1.6%,6.7%(p=0.07)。入院期間中の死亡または再梗塞は,hirudin群11例(6.8%),heparin群14例(16.7%)と有意差がみられた(p=0.02)。

●有害事象
入院期間中の大出血は,hirudin群1.2%,heparin群4.7%(p=0.09)。

文献: [main, pilot] Cannon CP, et al for the TIMI 5 Investigators. A pilot trial of recombinant desulfatohirudin compared with heparin in conjunction with tissue-type plasminogen activator and aspirin for acute myocardial infarction: results of the Thrombolysis in Myocardial Infarction (TIMI) 5 trial. J Am Coll Cardiol 1994; 23: 993-1003. pubmed
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