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Boccara A et al A randomized trial of a fixed high dose vs a weight-adjusted low dose of intravenous heparin during coronary angioplasty
結論 体重補正を用いた低用量heparin静注は,一定の高用量heparin静注と同等の安全性を有し,より早期のシース除去およびCCU退室を可能にすることが示された。

目的 PTCA施行患者において,2用量のheparin静注(高用量と体重補正を用いた低用量)のPTCA成功率および血栓性・出血性合併症発症に対する効果と安全性を比較検討。
一次エンドポイントは以下の主要イベントの非発生:死亡,心筋梗塞(Q波または非Q波:MI),予定外の血行再建術施行(PTCA再施行またはCABG施行),または緊急のステント植込み施行。
デザイン ランダム化。
セッティング 単施設。フランス。
期間 - ランダム化の期間は1995年1月~11月。
対象患者 400例。PTCA施行患者。
【除外基準】AMIに対するPTCA施行,aspirinへのアレルギー,過去1ヵ月以内の同試験または他試験への参加,止血異常の既往,活動性のある出血など。
治療法 heparin 15,000IUボーラス静注投与群(200例:高用量群)とheparin 100IU/kgボーラス静注投与群(200例:体重補正低用量群)にランダム化。
heparinはPTCA施行開始と同時に投与。施行時間が1時間を超える,または合併症が発生した場合は,さらに2,500IUをボーラス静注。
全例にPTCA施行の1日以上前からaspirin 250mg/日投与。heparinおよびaspirin以外の抗血栓薬の投与は中止(ステント植込み施行時のticlopidineを除く)。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
PTCA成功(残存狭窄<50%未満かつTIMI grade 3)率は両群ともに95%と同等であった。一次エンドポイントは,高用量群182例(91%),体重補正低用量群190例(95%)と両群間に有意差はみられなかったが(オッズ比1.88,95%CI 0.80-4.50,p=0.12),主要イベントはいずれも体重補正低用量群で減少傾向が認められた:死亡4例(2%)vs 2例(1%),Q波MI 2例(1%)vs 0例,非Q波MI 5例(2.5%)vs 4例(2%),PTCA再施行4例(2%)vs 1例(0.5%),CABG施行3例(1.5%)vs 1例(0.5%),緊急のステント植込み施行11例(5.5%)vs 5例(2.5%)。ステント植込み施行例は,各57例(28.5%),53例(26.5%)であった(p=0.73)。
24時間後におけるヘモグロビン減少の平均値は,高用量群0.36g/dL,体重補正低用量群0.27g/dLで両群間に有意差はみられなかった(p=0.37)。一方,heparin投与開始からシース除去(活性化部分トロンボプラスチン時間がコントロールの3倍以下に到達)までの時間は,体重補正低用量群で有意に短縮し(735分 vs 558分,p=0.001),PTCA終了からCCU退室までの時間も有意に短縮した(12.7時間 vs 9.8時間,p=0.0001)。

●有害事象
表記なし。

文献: Boccara A, et al. A randomized trial of a fixed high dose vs a weight-adjusted low dose of intravenous heparin during coronary angioplasty. Eur Heart J 1997; 18: 631-5. pubmed
関連トライアル Friedman HZ et al, Garachemani AR et al, IMPACT-II 1998, ISAR-REACT 3 bleeding and MI
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