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PRISM-PLUS 1999 Platelet Receptor Inhibition in Ischemic Syndrome Management in Patients Limited by Unstable Signs and Symptoms
結論 不安定狭心症または非Q波心筋梗塞(MI)患者において,heparin+tirofiban併用投与は,culprit病変における血栓を縮小し,遠位血管の灌流を改善したことから,臨床的ベネフィットを有することが示唆された。

目的 不安定狭心症または非Q波心筋梗塞(MI)患者において,血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬tirofibanと抗凝固薬heparin単独および併用によるculprit病変への改善効果を検討。
一次エンドポイント:culprit病変における冠動脈内血栓の大きさ(最大径)。二次エンドポイント:culprit病変のTIMI grade,血栓像を含めた狭窄度および血栓を除いた狭窄度(器質的な粥状動脈硬化による)。
デザイン ランダム化,二重盲検。
セッティング 多施設(14ヵ国,72病院)。
同PRISM-PLUS Trial(1998年,メインスタディ)。
期間 追跡期間は65時間(中央値)。
対象患者 1,491例。平均年齢62.6歳。男性68%。PRISM-PLUS Trialに登録された不安定狭心症または非Q波MI患者(1,915例)のうち,冠動脈造影所見が解析可能な症例。
治療法 tirofiban単独投与群(261例:T群),tirofiban+heparin併用投与群(608例:T+H群),heparin単独投与群(622例:H群)にランダム化。
投与時間は48時間以上。投与中は,難治性虚血(RI)または新規のMI発症が認められた場合を除き,インターベンションは実施しなかった。
冠動脈造影所見(ランダム化後65時間:中央値)に基づき,血栓の大きさ(最大径:small~large),TIMI flow grade,血栓像を含めた狭窄度および血栓像を除いた狭窄度を評価。
血栓の大きさ:small(正常内腔径の0.5倍未満,grade 2),medium(正常内腔径の0.5~1.5倍,grade 3),large(正常内腔径の1.5倍超,grade 4)。血栓形成の可能性がある場合はgrade 1,明らかに血栓形成が認められる場合はgrade 5,慢性閉塞の場合はgrade 6とした。
T群は7日後の死亡率の明らかな増加がみられたため,早期に中止。そのため,本解析ではT+H群とH群の比較を行った。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
治療後も,血栓およびその可能性(TIMI thrombus grade 1~4),または新たな完全閉塞(grade 5)が認められた症例は643例(45%)であった。
T+H群では,H群に比較して血栓の有意な縮小が認められた(オッズ比0.77,p=0.022;small:11.4% vs 9.0%,medium:11.4% vs 15.8%,large:2.1% vs 3.0%)。また,新たな完全閉塞の発症が減少し(3.6% vs 5.3%),血栓を認めない症例が増加した(55.6% vs 50.5%)。
1,393例(T群243例,T+H群570例,H群580例)におけるTIMI flow gradeの検討においても,T+H群でgrade 3症例が増加(82% vs 74%),grade 0~2症例は減少し(grade 2:9% vs 13%,grade 1:1% vs 2%,grade 0:8% vs 11%),T+H群で有意な改善傾向が認められた(オッズ比0.65,p=0.002)。
1,334例(T群232例,T+H群549例,H群553例)の検討では,T+H群で閉塞性疾患の狭窄率が有意に低下したが(p=0.037),粥状プラークの狭窄率に関しては両群で同等であった。
治療後も血栓を認めた643例では,認めなかった784例に比して30日後の死亡(5% vs 2%,オッズ比2.36,p=0.005),MI発症(9% vs 4%,2.00,p=0.002),RI(9% vs 5%,1.97,p=0.002),血行再建術施行(71% vs 53%,2.23,p<0.001)のリスクがいずれも有意に増加した。

●有害事象
表記なし。

文献: [substudy] Zhao XQ, et al for the PRISM-PLUS Investigators. Intracoronary thrombus and platelet glycoprotein IIb/IIIa receptor blockade with tirofiban in unstable angina or non-Q-wave myocardial infarction: Angiographic results from the PRISM-PLUS trial (Platelet receptor inhibition for ischemic syndrome management in patients limited by unstable signs and symptoms). Circulation 1999; 100: 1609-15. pubmed
関連トライアル ATACS, Canadian Lamifiban Study, Cohen M et al, FRIC, FRISC, IMPACT-AMI, Kereiakes DJ et al 1996, MINT, OPUS-TIMI 16, PARAGON-A, PRISM, PRISM-PLUS 1998, PURSUIT 1999, RESTORE, Schulman SP et al, TACTICS-TIMI 18 1998, TACTICS-TIMI 18 2001, TAUSA, TIMI 11B, TIMI IIIA, TIMI IIIB 1999 Database Study, TRIM, Williams MJ et al 1997
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