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PURSUIT 1999 Platelet Glycoprotein IIb/IIIa in Unstable Angina: Receptor Suppression Using Integrilin Therapy
結論 非ST上昇の急性冠症候群(ACS)患者において,血小板減少症が臨床イベント発生の要因であるという明らかなエビデンスは得られなかったが,発症例では出血性および虚血性イベントの発生リスクの増加が認められた。

目的 非ST上昇の急性冠症候群(ACS)患者において,血小板減少症の発症率,予後への影響,血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬eptifibatide投与との相関を検討。
一次エンドポイント:30日後の死亡または非致死性MI(心筋梗塞)。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。
セッティング 多施設(28ヵ国)。
同PURSUIT Trial(1998年,メインスタディ)。
期間 追跡期間は30日。
対象患者 9,217例。非ST上昇のACS(不安定狭心症またはMI)患者。虚血性胸痛の発現後24時間以内,ECG所見または心筋酵素に関する基準を満たす症例。
【除外基準】出血性素因,妊娠,ベースライン時の検査値異常(血小板数<10万/μL含む),血栓溶解薬,他の血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬,試験薬の投与。
治療法 eptifibatide投与群(4,614例)とプラセボ群(4,603例)にランダム化。
eptifibatide 群:180μg/kgボーラス静注後,2μg/kg/分(高用量)または1.3μg/kg/分(低用量)を72~96時間静注(高用量の安全性が確認されたため,後に低用量レジメンは中止)。
必要に応じて,heparin(<70kgの場合は体重補正用量,>70kgの場合には5,000Uボーラス静注後,1,000U/時静注を推奨),aspirinなどを用いた標準治療を実施。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
血小板減少症(nadir血小板数<100×109/Lまたはベースライン時の<50%)は全例の7.0%[633例:eptifibatide群314例(6.9%),プラセボ群319例(7.0%)]に発生。発症までの時間は,両群とも4.0日(中央値)。血小板減少症発症例(633例)は,非発症例(8,468例)に比してより高齢で,より体重が軽く,白人以外が多く,心リスク因子(糖尿病,MI既往,血管形成術の施行歴,末梢血管疾患の既往)をより多く有していた。
30日後の虚血性イベントの発生も,血小板減少症発症例で有意に多かった(脳卒中:3.0 vs 0.6%,一次エンドポイント:30.0 vs 14.1%,MI:27.2 vs 12.2%,死亡:7.4 vs 3.3%,いずれもp<0.001)。交絡因子を補正後も,一次エンドポイントの発生リスクは発症例でより高かった(オッズ比1.3,95%CI 1.0-1.6)。血小板減少症の発症リスクとheparin投与間に有意な相関は認められず,eptifibatide(オッズ比1.0,95%CI 0.8-1.3)および他の抗血小板薬(aspirin,ticlopidine,abciximab,血栓溶解薬)投与についても同様であった。

●有害事象
血小板減少症発症例では,非発症例に比し出血性イベントの発生が有意に多かった(全出血:75.8 vs 27.8%,中等度/重度の出血:55.9 vs 8.2%,輸血:55.6 vs 7.4%,血小板輸血:19.6 vs 1.2%,いずれもp<0.001)。多変量回帰モデルを用いた交絡因子の補正後でも,発症例における中等度/重度の出血の発生リスクは,非発症例の2倍であった(オッズ比2.0,95%CI 1.6-2.6)。

文献: [substudy] McClure MW, et al for the PURSUIT Investigators. Clinical significance of thrombocytopenia during a non-ST-elevation acute coronary syndrome. The platelet glycoprotein IIb/IIIa in unstable angina: receptor suppression using integrilin therapy (PURSUIT) trial experience. Circulation 1999; 99: 2892-900. pubmed
関連トライアル Canadian Lamifiban Study, IMPACT-AMI, OPUS-TIMI 16, PARAGON-A, PRISM-PLUS 1999, PURSUIT 1998, PURSUIT 2000, PURSUIT 2001, Schulman SP et al, Simpfendorfer C et al, Williams MJ et al 1997
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