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Berger PB et al 1999 Safety and efficacy of ticlopidine for only 2 weeks after successful intracoronary stent placement
結論 冠動脈ステント植込み施行患者において,14日後にticlopidine投与を中止した場合も,ステント血栓症やその他の有害イベントの発生頻度はきわめて低率であることが示された。

目的 冠動脈ステント植込み施行患者において,抗血小板薬ticlopidine投与を14日後に終了した場合のステント血栓症とその他のステント関連の合併症,およびticlopidineによる有害事象の発生リスクなど,その有効性と安全性を検討。
デザイン 非ランダム化,前向き。
セッティング 単施設(Mayo Clinic)。アメリカ。
期間 追跡期間は6ヵ月。登録期間は1996年5月~1997年10月。
対象患者 827例。30~89歳(平均64歳)。待機的または緊急離脱ステント植込み施行成功例(施行中に死亡,MI,緊急CABG施行を要する合併症の発生がない,残存狭窄<50%の症例)。
【除外基準】warfarin慢性投与の必要性,心原性ショック,4週間のticlopidine投与を要するステント植込み(植込み後の高圧バルーン拡張非実施例),ticlopidineまたはaspirinに禁忌。
治療法 対象患者の1,061部位にステント(平均nominal径3.3±0.5mm)植込みを施行。
施行直前にticlopidine 500mg,施行日の夜に250mg,その後500mg/日(分2)を14日間投与。
全例に施行前または施行中にaspirin≧325mg,施行後は80~325mg/日投与。施行中にheparin 100U/kgをボーラス静注し,活性化凝固時間が250~350秒となるよう用量補正。
ステント血栓症の高リスク症例(MI,ステント内径≦3mm,残存狭窄≧20%,拡張不可能な近位部または遠位部のびまん性疾患,血管造影所見における大動脈解離の持続,血管造影所見における施行前の冠動脈内大血栓または施行後の血栓)11%には,低分子量heparin(enoxaparin) 60~120mg(分2)をシース除去4~6時間後から10~14日間投与。
血栓塞栓性合併症の高リスク症例312例(38%)には,施行中にabciximab 0.25mg/kgボーラス静注後,活性化凝固時間が200~300秒となるよう0.10μg/分で12時間持続静注。
73例(8.8%)では施行時に血管内エコー法(IVUS)を実施。また,施行後,バルーンカテーテルに最低限のコンプライアンスが得られた全例に12気圧以上(平均17気圧)の高圧バルーン拡張を実施。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
患者背景は,MI既往402例(49%),CABG施行歴162例(20%),多枝病変514例(65%)。ステント植込みの要因は,解離または急性閉塞256例(31%),バルーン血管形成術不成功147例(18%), 424例(51%)は待機的ステント植込みであった。MI既往例のうち,85例(10.3%)はAMI発症後24時間以内にステント植込みを施行。
院内死亡は5例(0.6%),4例(0.5%)がPTCA再施行を要し,退院から14日後にさらに2例が死亡。14日後(ticlopidine投与期間中)の心血管イベント発生は11例(1.3%)で,うち6例(0.7%)ではステント血栓症あるいはその可能性が推測された。
一方,15~30日後(ticlopidine投与終了後)では,2例が非虚血性の原因により死亡したが(敗血症および腎不全各1例),心血管イベントおよびステント血栓症は認められなかった。

●有害事象
2週後および4週後にticlopidineによる有害事象に関する詳細なデータが得られた489例のうち,投与中止は9例(1.8%:発疹6例,下痢2例,悪心1例)であり,より軽度の有害事象が23例(4.7%)に発生したが,好中球減少症は認められなかった。

文献: Berger PB, et al. Safety and efficacy of ticlopidine for only 2 weeks after successful intracoronary stent placement. Circulation 1999; 99: 248-53. pubmed
関連トライアル Berger PB et al 1999, ERASER, ISAR-SWEET, MATTIS, Mishkel GJ et al, Moussa I et al, Müller C et al, REAL-LATE / ZEST-LATE, STARS, Yoon Y et al
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