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OASIS Pilot Study 1998 Organization to Assess Strategies for Ischemic Syndromes Pilot Study
結論 非ST上昇の急性虚血症候群(AIS)患者において,中等量のwarfarin(INR 2.0-2.5)とaspirinの長期併用は,虚血性イベントに対する再発抑制効果が認められたが,低用量warfarin(INR 1.5)とaspirinの長期併用では認められなかった。

目的 非ST上昇の急性虚血症候群(AIS)患者において,2用量のwarfarin(低用量または中等量)およびaspirin併用と,標準治療(aspirin単独)の実施の可能性,長期的な有効性(虚血性イベントの再発抑制),安全性を比較検討。
一次アウトカム:心血管死+新たな心筋梗塞(MI)+治療抵抗性狭心症の複合。二次アウトカム:心血管死+新たなMI+重度または治療抵抗性狭心症+不安定狭心症による再入院の複合。安全性の主要アウトカム:脳卒中および出血。
デザイン ランダム化,2×2 factorial,パイロット試験。
セッティング 多施設(31施設)。カナダ。
期間 phase 1:追跡期間は6ヵ月。試験期間は1994年7月~1995年8月。
phase 2:追跡期間は3ヵ月。試験期間は1995年12月~1996年5月。
対象患者 OASIS Pilot Studyに登録された非ST上昇のAIS患者。phase 1:601例中309例,phase 2:308例中197例。不安定狭心症または非ST上昇のMIによると推測される胸痛の発現から12時間以内(phase 1)または48時間未満(phase 2)の入院患者。
【除外基準】登録時点における大出血,hirudinまたはheparinの初回静注から48時間以内の大出血,明らかなwarfarinへの適応,退院前または退院後1週間以内のCABG施行予定。
治療法 hirudin投与群(低用量:0.20mg/kgボーラス静注後,0.1mg/kg/時で72時間静注,中等量:0.4mg/kgボーラス静注後,0.15mg/kg/時で72時間静注)とheparin投与群(5,000Uボーラス静注後,1,200U/時で72時間静注),warfarin投与群と標準治療群にランダム化。
1)phase 1:hirudinまたはheparin静注(ランダム化後5~7日からwarfarin投与開始)を3日間中止後,低用量warfarin投与群(155例)と標準治療(aspirin単独)群(154例)にランダム化。
低用量warfarin群:初日は負荷用量として10mg,その後は3mg/日を経口投与(目標INR,平均INRともに1.5)。全対象の87%でaspirin(中央値325mg/日)投与。
2)phase 2:中等量warfarin投与群(98例)と標準治療(aspirin単独)群(99例)にランダム化。
中等量warfarin群:hirudinまたはheparin静注開始の12~24時間後からwarfarin投与開始。初日は10mg,2~3日後は3mg経口投与,その後はINR 2.0-2.5を目標に用量調整(平均INR 2.3,平均投与量4mg/日)。全対象の85%でaspirin(中央値325mg/日)投与。
追跡完了率 Phase I:追跡完了前の投与中止率は29%(45例)。Phase II:追跡完了前の投与中止率は52%(51例)。
【脱落理由】Phase I:退院後のwarfarin非服用(13例),待機的インターベンション施行(11例),出血/薬剤不忍容(7例),患者の拒否(7例)。Phase II:待機的心インターベンション施行(19例),出血/薬剤不忍容(12例),CADと診断されず(8例)。
結果

●評価項目
本サブスタディではwarfarinと標準治療について検討。
1)phase 1:6ヵ月後の一次アウトカム発生はwarfarin群10例(6.5%),標準治療群6例(3.9%)と,warfarin群で増加傾向が認められた(相対リスク1.66,95%CI 0.62-4.44,p=0.31)。二次アウトカムはwarfarin群27例(17.4%),標準治療群21例(13.6%:1.28,0.76-2.16,p=0.40),全死亡+新たなMI+脳卒中は10例(6.5%)vs 4例(2.6%:2.48,0.80-7.75,p=0.10)といずれもwarfarin群で増加した。不安定狭心症による再入院は,両群とも32例(21%)と同等であった(0.99,0.64-1.54,p=0.97)。
2)phase 2:3ヵ月後の一次アウトカム発生は,warfarin群5例(5.1%),標準治療群12例(12.1%)とwarfarin群で減少傾向が認められ(相対リスク0.42,0.15-1.15,p=0.08),二次アウトカム[10例(10.2%)vs 20例(20.2%),0.51,0.25-1.02,p=0.051],および全死亡+新たなMI+脳卒中[5例(5.1%)vs 13例(13.1%),0.39,0.14-1.05,p=0.05]についてもwarfarin群で減少した。また,不安定狭心症による再入院はwarfarin群で有意に減少した[7例(7.1%)vs 17例(17.2%),0.42,0.18-0.96,p=0.03]。

●有害事象
1)phase 1:重度の出血は,warfarin群でのみ4例(2.6%)発生し,軽度の出血はwarfarin群で有意に多かった[22例(14.2%)vs 4例(2.6%),相対リスク5.46,1.93-15.5,p=0.001]。
2)phase 2:重度の出血はwarfarin群2例(2.0%),標準治療群1例(1.0%)と両群間に有意差はみられなかったが(2.02,0.19-21.9,p=0.56),軽度の出血はwarfarin群で有意に多かった[28例(28.6%)vs 12例(12.1%),2.36,1.37-4.36,p=0.004]。

文献: [substudy] Anand SS, et al for the OASIS Pilot Study Investigators. Long-term oral anticoagulant therapy in patients with unstable angina or suspected non-Q-wave myocardial infarction: organization to assess strategies for ischemic syndromes (OASIS) pilot study results. Circulation 1998; 98: 1064-70. pubmed
関連トライアル ACTION Registry-GWTG stratified analysis, AFASAK 2 1999, ATACS, ATACS-pilot, Canadian Multicenter Trial, CARS, Crowther MA et al, ESSENCE 1997, FRIC, FRISC, Guerrouij M et al, Gurfinkel EP et al, Holdright D et al, INVEST impact of aspirin, ISIS-2 10 year survival, Martí-Fàbregas J et al, OASIS Pilot Study 1997, OASIS-2, OASIS-5, PARAGON-A, PREVENT 2003, RCTにおけるwarfarinとaspirinの出血リスク, RESTORE, RISC 1990, RISC 1991, Schulman SP et al, SPORTIF INR control, Théroux P et al 1988, Théroux P et al 1992, TIMI 11B, TIMI IIIB 1995, TPT, TRACER, TRIM, VA-main, WARIS 1990, WARSS, WASID, WAVE, Williams MJ et al 1997
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