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RAPID II Reteplase(r-PA)vs Alteplase Patency Investigation Drug myocardial infarction II
結論 急性心筋梗塞(AMI)患者において,2回のreteplase 10MUボーラス投与はalteplaseのfront-loaded急速投与に比較して,合併症のリスクを増大させることなく,梗塞関連動脈の早期開存性および冠動脈インターベンションの必要性を有意に改善した。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者において,血栓溶解薬reteplase(r-PA)のボーラス2回投与とalteplase(rt-PA)のfront-loaded急速投与による梗塞関連動脈の開存性および開存に要する時間を比較検討。
一次エンドポイント:90分後の開存性。
デザイン ランダム化,オープン,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(2ヵ国,25施設)。アメリカ(20施設),ドイツ(5)。
期間 追跡期間は35日。登録期間は1993年11月~1994年10月。
対象患者 324例。AMI患者。年齢>18歳,nitroglycerinが奏効しない典型的な胸痛が30分以上持続,以下のいずれかに該当:前壁または側壁の3誘導中2誘導でのST上昇(≧0.1mV),隣接した2つ以上の前胸部誘導でのST上昇(≧0.2mV),左脚ブロック,虚血性胸痛の発現から12時間以内。
【除外基準】CABG施行歴,脳卒中の既往または頭蓋内の異常,過去2週間以内のPTCA施行,同領域におけるQ波MIの既往,重度の高血圧症(>180/110mmHg),経口抗凝固薬の投与,過去2週間以内の長時間にわたる心肺蘇生の実施,過去2週間以内の圧迫不可能な血管穿刺または臓器生検,頭蓋内・脊椎内・眼内の大手術施行,過去3ヵ月以内の活動性の出血または内出血の可能性(消化性潰瘍など)など。
治療法 reteplase投与群(169例)とalteplase投与群(155例)にランダム化。
reteplase群:10MUを2~3分でボーラス投与後,30分後に再度10MUをボーラス投与。
alteplase 群:15mgボーラス投与後,0.75mg/kg(最大50mg)を30分で投与,その後0.5mg/kg(最大35mg)を60分で投与。
全例に,血栓溶解薬投与の直前からaspirin投与(160~350mg/日,退院時まで継続),heparin静注(5,000IUボーラス投与後,1,000IU/時で24時間以上静注:活性化部分トロンボプラスチン時間がコントロールの2倍となるよう用量調整)。
冠動脈造影を血栓溶解療法開始から30,60,90分後,5日後~退院時(14日後)に実施し,梗塞関連動脈の開存率を評価。左室造影を同様に実施し,駆出率(EF)および局所壁運動を評価。
追跡完了率 35日の追跡完了率は,reteplase群99.4%,alteplase群98.7%。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
90分後の梗塞関連動脈の開存率(TIMI grade 2または3)は,reteplase群83.4%(131/157例),alteplase群73.3%(107/146例),完全開存率(TIMI 3)は各59.9%(94/157例),45.2%(66/146例)で,いずれもreteplase群で有意に高かった(各p=0.032,p=0.011)。60分後においても,開存率:81.8%(99/121例)vs 66.1%(76/115例),完全開存率:51.2%(62/121例)vs 37.4%(43/115例)とreteplase群で有意に高かった(各p=0.032,p=0.006)。60分後におけるreteplase群の開存率および完全開存率は,90分後のalteplase群よりやや高率であることから,reteplase群でより急速に開存が得られることが示された。
6時間後までの冠動脈インターベンション施行率は,reteplase群13.6%,alteplase群26.5%で,reteplase群で有意に減少(p=0.004)。一方,35日後までの死亡はreteplase群4.1%(7例),alteplase群8.4%(13例)と両群間で有意差は認められなかった(p=0.11)。また,5~14日後の再閉塞(9.0% vs 7.0%,p=0.61),および35日後までの脳卒中(1.8% vs 2.6%)に関しても有意差はみられなかった。

●有害事象
35日後までの輸血を要する出血(12.4% vs 9.7%,p=0.43)および出血性脳卒中(1.2% vs 1.9%)においても差はなかった。また,左室EFおよび梗塞域の局所壁運動に関しても両群間で有意差はみられなかった。

文献: [main] Bode C, et al for the RAPID II Investigators. Randomized comparison of coronary thrombolysis achieved with double-bolus reteplase (recombinant plasminogen activator) and front-loaded, accelerated alteplase (recombinant tissue plasminogen activator) in patients with acute myocardial infarction. Circulation 1996; 94: 891-8. pubmed
関連トライアル Bleich SD et al, COBALT, DUCCS-II, GUSTO III, GUSTO-I 1993, GUSTO-I 1994, GUSTO-I 1995, HART 1990, HIT-III, IMPACT-AMI, MINT, NHFACT, PACT, SPEED(GUSTO-IV Pilot), TIMI 10B, TIMI 14, TIMI 4, TIMI 5, TIMI I 1988, TIMI II 1995, TIMI IIIA
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