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EPIC 1995 Evaluation of c7E3 Fab in Preventing Ischemic Complications of High-Risk Angioplasty
結論 CABG非関連の出血性合併症の発生率は,abciximab投与群でプラセボ群の2~3倍であったが,多くは一過性であった。危険因子を分析し,抗血栓療法および抗血小板療法を併用することにより,経皮的冠動脈血栓溶解療法(PTCR)施行中のabciximab投与による出血性合併症が減少し,臨床的利益が高まると推測される。

目的 経皮的冠動脈血栓溶解療法(PTCR)を施行した高リスク患者において,標準治療(aspirinおよびheparin)に血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬c7E3 Fab(abciximab)を併用した場合の出血性合併症の発生およびそのリスク因子を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照。
セッティング 多施設(56施設)。アメリカ。
期間 追跡期間は6ヵ月。登録期間は1991年11月~1992年11月。
対象患者 2,099例。年齢<80歳。PTCR施行患者。臨床所見または血管造影所見により急性閉塞の発症リスクが高い例。以下のいずれかに該当:1)directまたはrescue PTCRを施行した心筋梗塞(MI)患者(発症後12時間以内),2)ECG所見の変化を伴う治療抵抗性の不安定または梗塞後狭心症患者,3)ACC/AHAの基準による高リスクの臨床所見または血管造影所見を有する患者,またはさらに臨床上の危険因子(女性,糖尿病,65歳以上など)を有する患者。
【除外基準】出血性合併症の危険因子。
治療法 プラセボボーラス+静注投与群(696例),abciximab 0.25mg/kgボーラス+プラセボ静注投与群(695例),abciximab 0.25mg/kgボーラス+10μg/分静注投与群(708例)にランダム化。
ボーラス投与はPTCR施行10~60分前に実施し,施行後12時間継続静注。
全例にPTCR施行前2時間以内にaspirin 325mgを投与,施行後は325mg/日を継続投与。また,PTCR施行前にheparin 10,000~12,000Uボーラス静注,施行中は活性化凝固時間が300~350秒になるように3,000U以下をボーラス静注(15分ごと,総投与量2万U以下),施行後は活性化部分トロンボプラスチン時間が60秒またはベースラインの2倍以上になるよう12時間以上にわたって1,000U/時で持続静注。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
CABG非関連の重度の出血性合併症は158例(突発性臓器出血28例,非突発性出血130例)に発生し,プラセボ群3.3%(23例),abciximabボーラス群8.6%(60例),abciximabボーラス+静注群10.6%(75例)と,プラセボ群に比しボーラス+静注群で有意に高かった(p<0.001,突発性臓器出血:p=0.002,非突発性出血:p<0.001)。最も発現頻度の高かった部位は,いずれの群においても大腿部の血管アクセス部位であった(92例:非突発性出血の71%)。頭蓋内出血の発生率は0.3%(プラセボ群2例,abciximabボーラス群1例,abciximabボーラス+静注群3例),死亡は0.09%(プラセボ群およびabciximabボーラス+静注群各1例)といずれも低かった。血液製剤投与の必要性は,プラセボ群7.5%,abciximabボーラス群14.0%,abciximabボーラス+静注群16.8%で,プラセボ群に比しabciximab投与群で有意に多かった(p<0.001)。
多変量ロジスティック解析により,重度の出血性合併症または失血との有意な相関が認められた独立した危険因子は,加齢,女性,低体重,abciximab投与,より長いPTCR施行時間および処置の複雑さであった。

●有害事象
重度の出血性合併症(p=0.38)および失血(p=0.14)の発生率に関して,abciximabボーラス+静注群とabciximabボーラス群との間に有意差は認められなかった。

文献: [substudy] Aguirre FV, et al for the EPIC Investigators. Bleeding complications with the chimeric antibody to platelet glycoprotein IIb/IIIa integrin in patients undergoing percutaneous coronary intervention. Circulation 1995; 91: 2882-90. pubmed
関連トライアル ECSG-UA, EPIC 1994, EPIC 1994, EPIC 1995, EPIC 1996, EPIC 1998, EPIC 1998, Harrington RA et al, IMPACT-I, IMPACT-II 1998, Kereiakes DJ et al 1996, RESTORE
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