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van den Bos AA et al Safety and efficacy of recombinant hirudin (CGP 39 393) versus heparin in patients with stable angina undergoing coronary angioplasty
結論 待機的PTCAを施行した安定狭心症患者において,組み換え型hirudin投与は安全であり,未分画heparinに比較してより良好な抗凝固作用を有することが示唆された。

目的 待機的PTCAを施行した安定狭心症患者において,組み換え型hirudin(CGP 39 393)および未分画heparinの有効性と安全性を比較検討。
デザイン ランダム化,二重盲検,パイロット試験。
セッティング 多施設。
期間 追跡期間は24時間。
対象患者 113例。35~74歳(平均58歳)。待機的PTCAを施行した安定狭心症患者(約60%がCCS分類Class IまたはII)。PTCAが適応となる1枝または多枝冠動脈疾患患者。安定狭心症症状を有し,heparinを投与されていない例。
【除外基準】同じ血管に対するPTCA施行歴,バイパスグラフトの拡張,過去2週以内の心筋梗塞(MI),重度の高血圧症,出血の既往,止血障害,血小板減少症,最近の手術または外傷,妊娠およびその可能性,凝固パラメータおよび/または血小板機能に影響を与える薬剤の服用(aspirinを除く)。
治療法 hirudin投与群(74例)とheparin投与群(39例)に2:1の割合でランダム化。
hirudin群:組み換え型hirudin 20mgボーラス静注後,0.16mg/kg/時で24時間持続静注。heparin群:未分画heparin 1万IUボーラス静注後,12IU/kg/時で24時間持続静注。活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)が85~120秒となるように投与速度を補正。
全例にaspirin 250~500mg/日をPTCA施行当日から4週間以上投与。
冠動脈造影をPTCA施行前後,24時間後に実施し,冠血流および冠動脈造影パラメータを定量的冠動脈造影(QCA)にて評価。凝固パラメータはPTCA施行前後,6および24時間後に評価。心電図検査を24時間後まで実施し,虚血性エピソード(ST変位)を評価。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
PTCA施行は全132部位。PTCA施行24時間後のMIおよび/または緊急冠動脈バイパス術施行は,hirudin群1例(1.4%),heparin群4例(10.3%)とhirudin群で少なかった(相対リスク7.6,95%CI 0.9-65.6)。
109例の128部位(hirudin群79部位,heparin群49部位)のうち,完全灌流(TIMI grade 3)が得られたのは,PTCA施行直後はhirudin群100%,heparin群92%,24時間後では各100%,91%とhirudin群でより多かった。110例(hirudin群71例,heparin群39例)におけるPTCA施行直後から24時間後までの冠動脈造影パラメータの変化(QCA評価)は,両群間に有意差は認められなかった。
aPTT中央値が目標範囲内であった症例の割合は,PTCA直後ではhirudin群約50%,heparin群3%,6時間後は各44%,30%であり,追跡期間を通じてhirudin群でより高く,安定していた。トロンビン-アンチトロンビン III複合体レベルおよびプロトロンビン分画F1+2の中央値は,両群とも正常上限(各4.6μg/L,1.35nmol/L)以下であり,フィブリノペプチドA中央値も低く,hirudinのトロンビン活性阻害効果が示された。
ST偏差が解析可能であった104例(hirudin群69例,heparin群35例)のうち,虚血性エピソードはhirudin群4%(3例),heparin群11%(4例)と,heparin群で多かった。

●有害事象
重度の出血はhirudin群のみで穿刺部位の4例(5%)に認められた。

文献: van den Bos AA, et al. Safety and efficacy of recombinant hirudin (CGP 39 393) versus heparin in patients with stable angina undergoing coronary angioplasty. Circulation 1993; 88(5 Pt 1): 2058-66. pubmed
関連トライアル GUSTO IIa, GUSTO IIb 1996, HAS, HELVETICA, HIT-III, ISAR-REACT 3 bleeding and MI, OASIS Pilot Study 1997, OASIS-2, OASIS-5 and 6, Rabah MM et al, RESTORE, TIMI 5, TIMI 7, TIMI 9A, TIMI 9B
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