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EPIC 1998 Evaluation of c7E3 Fab for the Prevention of Ischemic Complications
結論 経皮的冠動脈血栓溶解療法(PTCR)施行患者において,高用量heparin静注およびシース留置下でのabciximab投与により,血管アクセス部位(VAS)の合併症が2~3倍に増加することが示された。以上から,PTCR施行例へのabciximab投与においては,heparin投与の中止および早期のシース除去がVAS合併症のリスク減少に有効である可能性が示唆された。

目的 経皮的冠動脈血栓溶解療法(PTCR)施行患者において,血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬abciximabと血管アクセス部位(VAS)における合併症との相関を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照。
セッティング 多施設(56施設)。アメリカ。
期間 - 登録期間は1991年11月~1992年11月。
対象患者 2,058例。EPIC Trialの対象患者2,099例(PTCAまたはDCAを施行予定の血管閉塞の高リスク患者。急性心筋梗塞,安静時狭心症または冠動脈造影所見で高リスクの患者)のうち,実際にPTCRを施行した症例。
【除外基準】年齢>79歳。
治療法 次の3群にランダム化。
A群(708例):abciximabを0.25mg/kgボーラス投与後,10μg/分12時間静注。B群(695例):abciximabを0.25mg/kgボーラス投与後,プラセボ12時間静注。C群(696例):プラセボ0.25mg/kgボーラス投与後,プラセボ12時間静注。施行前10分以前にボーラス投与。全例に施行2時間前からaspirin 325mg/日経口投与,その後325mg/日を継続投与。施行前にheparin 10,000~12,000Uを静注し,その後施行前~中にかけて,活性化凝固時間を300~350秒になるよう3,000U静注。施行後は活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)>60秒またはベースライン時の2倍となるよう1,000U/時で12時間以上静注。
VASのシース除去は投与終了後6時間以降(heparin投与終了後4時間以降)かつaPTTが安全域に達した時点で実施。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
VASにおける重度の出血(ヘマトクリット値低下≧15%)発生率は5.2%,軽度の出血(顕性出血:ヘマトクリット値低下≧10%または非顕性出血:低下≧12%)は11.9%であり,外科治療は1.4%であった。各群におけるVASの軽度または重度の出血あるいは外科治療の発生率は,abciximab投与群21.8%[A群22.8%(157/689例),B群20.8%(143/687例),C群9.1%(62/682例)]とabciximab投与群ではプラセボ群の2~3倍であり,有意差が認められた(p<0.001)。
ロジスティック回帰分析によるVAS合併症の独立した予測因子は,abciximab投与(p<0.0001),登録時のAMI既往(p=0.0005),ベースライン時のヘマトクリット高値(p<0.0001),より長期のカテーテル室入室時間(p<0.0001),軽体重(p<0.0001),女性(p<0.0001),カテーテル室での活性化凝固時間の高値(p=0.0027),シースのサイズの大きさ(p=0.0298),加齢(p=0.0091)であった。
PTCR施行後の入院期間(中央値)は,VASで出血が認められない症例では2日であったが,軽度の出血発生例では3日,重度では6日と有意に延長した(p<0.05)。

●有害事象
VASの出血または外科治療の発生率を20例以上が参加した施設間で検討したところ,最低で12.5%,最高で87.5%と6倍もの変動が認められた。これは主としてベースライン時の患者背景やPTCR施行に関する因子の相違によるものと考察された。

文献: [substudy] Blankenship JC, et al for the EPIC Investigators. Vascular access site complications after percutaneous coronary intervention with abciximab in the Evaluation of c7E3 for the Prevention of Ischemic Complications (EPIC) trial. Am J Cardiol 1998; 81: 36-40. pubmed
関連トライアル ABOARD bleeding complication, BRAVE-3, EASY, ECSG-UA, EPIC 1994, EPIC 1995, EPIC 1995, EPIC 1996, EPIC 1997, EPIC 1998, IMPACT-II 1998, RAPPORT, TARGET
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