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TIMI 6 Thrombolysis in Myocardial Infarction 6
結論 急性心筋梗塞(AMI)患者において,streptokinase(SK)およびaspirin併用下のhirudin投与は,heparin投与と同等の安全性を有することが示された。また,低用量に比し,より高用量のhirudin投与で死亡,再梗塞,心原性ショック,うっ血性心不全の発生率が減少する傾向が認められた。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者において,streptokinase(SK)およびaspirin併用下における抗トロンビン薬hirudinおよび抗凝固薬heparinの安全性と有効性を比較検討。
一次エンドポイント:退院時または14日後の死亡+非致死性再梗塞+新たな重度うっ血性心不全+心原性ショック+駆出率(EF)<40%未満(MI既往患者では<30%)の複合。
デザイン ランダム化,オープン,パイロット試験。
セッティング 多施設(25施設)。アメリカ。
期間 追跡期間は6~10週間。
対象患者 193例。21~75歳。AMI発症後6時間以内。安静時の虚血性胸痛が30分~6時間未満持続,心電図所見における変化[隣接した2誘導以上のST上昇(≧0.1mV)あるいは新規の左脚ブロック]。
【除外基準】血栓溶解療法への禁忌,急性肺浮腫,他の重篤な疾患,腎障害(クレアチニン値≧1.5mg/dL),抗凝固薬投与の必要性,冠動脈バイパス術または弁置換術の施行歴,過去2週間のカテーテル法または血管形成術施行,過去2週間の血栓溶解療法施行,妊娠の可能性。
治療法 heparin投与群(71例)とhirudin投与群(122例)にランダム化(最初の100例は1:1,その後は1:3の割合)。
heparin群:5,000Uボーラス静注後,1,000U/時で持続静注[活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)が65~90秒となるよう用量調整]。
hirudin群:以下の3用量のいずれかを静注。用量1群(55例):0.15mg/kgボーラス+0.05mg/kg/時静注,用量2群(31例):0.3mg/kgボーラス+0.1mg/kg/時静注,用量3群(36例):0.6mg/kgボーラス+0.2mg/kg/時静注。hirudinおよびheparin静注はSK投与前に開始し,5日間継続。
全例にSK 150万Uを1時間で静注(重度の低血圧症の場合を除く),aspirin 325mgを試験開始時に投与,その後325mg/日を継続投与。
β遮断薬に禁忌でない患者にはmetoprolol静注後,経口投与。その他の薬剤投与は担当医の裁量に委ねた。放射性心室造影を投与終了前(4または5日後)に実施し,EFを評価。
追跡完了率 有効性の評価は185例(95.9%:heparin群68例,hirudin用量1群51例,2群31例,3群35例)で実施。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
一次エンドポイント発生率は,heparin群32.3%,全hirudin群35.0%と有意差はみられず(p=0.75),hirudin群間においても差は認められなかった(用量1群37.3%,2群32.2%,3群34.3%)。一方,退院時の死亡,非致死性再梗塞,うっ血性心不全,または心原性ショックの発生率は,より高用量のhirudin群(用量2群9.7%,3群11.4%)で,低用量hirudin群(用量1群21.6%)に比し抑制された(p=0.17)。また,退院時における死亡または非致死性再梗塞の発生率も,より高用量のhirudin群で減少し(用量1群13.7%,2群9.7%,3群5.7%),この傾向は6週後も維持されていた(各群17.6%,9.7%,5.7%)。

●有害事象
重度の出血の発生率は,heparin群およびhirudin群で同等であり(heparin群5.6%,hirudin用量1群5.5%,2群6.5%,3群5.6%),突発性出血の発生率も両群間に差はみられなかった(heparin群0%,hirudin用量1群3.6%,2群3.2%,3群2.8%)。アナフィラキシーはいずれの群においても認められなかった。

文献: [main, pilot] Lee LV for the TIMI 6 Investigators. Initial experience with hirudin and streptokinase in acute myocardial infarction: results of the Thrombolysis in Myocardial Infarction (TIMI) 6 trial. Am J Cardiol 1995; 75: 7-13. pubmed
関連トライアル DUCCS-II, GUSTO IIa, GUSTO-I 1995, GUSTO-I 1996, HIT-III, IMPACT-AMI, ISIS-2, ISIS-pilot, MAST-I, Melandri G et al 1990, MINT, OASIS Pilot Study 1997, PACT, Rogers WJ et al, TIMI 10B, TIMI 5, TIMI 7, TIMI 9A, TIMI 9B
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