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Bleich SD et al Effect of heparin on coronary arterial patency after thrombolysis with tissue plasminogen activator in acute myocardial infarction
結論 heparin併用により,急性心筋梗塞(AMI)患者における血栓溶解療法開始3日後の開存性は維持されたが,軽度の出血性合併症の増加が認められた。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者において,rt-PAによる血栓溶解療法へのheparin併用の有効性(血栓溶解療法後の梗塞動脈の開存維持に対する効果)および安全性について検討。
一次エンドポイント:血栓溶解療法終了3日後(48~72時間後)における梗塞動脈の開存率。二次エンドポイント:血栓溶解療法終了後の出血の発生。
デザイン ランダム化,非盲検,パイロット試験。
セッティング 多施設(4施設)。アメリカ。
期間 追跡期間は3日。登録期間は1987年10月~1988年8月。
対象患者 84例。AMI発症から6時間以内(平均2.7時間)。
以下の基準を満たすAMI患者:1)胸痛が30分以上持続し,臨床的に冠虚血が認められる,2)心電図所見にて,以下の3部位のうち1部位以上でのST上昇(≧0.1mV):前壁(前胸部6誘導[V1~V6]のうち2誘導以上),下壁(下部3誘導[II,III,aVF]のうち2誘導以上),側壁(IおよびaVL)。
【除外基準】血栓溶解療法に禁忌。
治療法 抗凝固療法群:rt-PA+heparin併用群(42例)とコントロール群:rt-PA単独群(42例)にランダム化。
抗凝固療法群:rt-PA 6mgボーラス静注(2分間)後,54mgを静注(1時間)後,40mgを静注(2時間)。rt-PA静注開始1時間以内にheparin 5,000Uボーラス静注後,部分トロンボプラスチン時間がコントロールの1.5~2.0倍となるように1,000U/時静注を冠動脈造影実施まで継続。
全例に血栓溶解療法施行前および施行中にlidocaineを投与。3日後(48~72時間後,平均57時間後)に冠動脈造影を実施して開存率を評価。
試験期間中はaspirinまたはdipyridamoleの投与は中止。
追跡完了率 脱落率は13.1%(11例)。
【脱落理由】冠動脈造影施行前のMI合併による死亡(4例),MI診断が不確定(2例)など。
結果

●評価項目
3日後における梗塞動脈の開存率(TIMI grade 2または3)は,抗凝固療法群71%(30例),コントロール群43%(18例)と抗凝固療法群で有意に高かった(p=0.015)。再閉塞は,抗凝固療法群7.1%(3例),コントロール群11.9%(5例)に発生したが,両群間に有意差は認められなかった(p=0.71)。

●有害事象
出血の発生は,抗凝固療法群64%(軽度52%,中等度10%,重度2%),コントロール群36%(各34%,2%,0%)で,抗凝固療法群で有意に多かった(p=0.006)。

文献: Bleich SD, et al. Effect of heparin on coronary arterial patency after thrombolysis with tissue plasminogen activator in acute myocardial infarction. Am J Cardiol 1990; 66: 1412-7. pubmed
関連トライアル DUCCS 1, ECSG 1992, GUSTO-I 1993, GUSTO-I 1995, HART 1990, HART 1992, LATE 1995, NHFACT, PACT, RAPID II, TIMI 4, TIMI I 1988, TIMI II Pilot and Clinical Trial, TIMI II Pilot and Randomized Clinical Trial, TRIC
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