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Asymptomatic Cervical Bruit Study
結論 重度の無症候性頸動脈狭窄患者(狭窄率≧50%)において,aspirinによる虚血性イベントへの長期的な抑制効果は認められなかった。

目的 重度の無症候性頸動脈狭窄患者における抗血小板薬aspirinの虚血性イベント抑制効果を検討。
エンドポイント:一過性脳虚血発作+脳卒中+心筋梗塞(MI)+不安定狭心症+死亡の複合。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(6病院)。カナダ。
期間 追跡期間は平均2.4年(中央値2.3年)。登録期間は6年(1988~1994年)。
対象患者 372例。平均年齢66.7歳。女性53%。頸部雑音を伴う神経学的に無症候性の頸動脈狭窄患者(超音波ドプラ法にて頸動脈狭窄率≧50%)。
【除外基準】症候性虚血性脳血管疾患,僧帽弁逸脱症以外の心臓弁膜症,非弁膜症性心房細動,過去3ヵ月未満のMIまたは不安定狭心症の既往,頸動脈内膜切除術の施行歴,aspirin投与の必要性または非ステロイド性抗炎症薬の常用,抗凝固薬の投与など。
治療法 aspirin腸溶錠325mg/日投与群(188例)とプラセボ群(184例)にランダム化。
平均投与期間はaspirin群 2.0年,プラセボ群1.9 年。aspirin含有製剤の服用は中止。6ヵ月ごとにエンドポイントの発生を評価した。
追跡完了率 プロトコール遵守率は85.4%(318例:aspirin群156例,プラセボ群162例)。
【脱落理由】投与中止。
結果

●評価項目
全エンドポイントの年間発生率はプラセボ群12.3%,aspirin群11.0%と両群間に有意差は認められなかった(p=0.61)。Cox比例ハザードモデルを用いた多変量解析による補正ハザード比は0.99(95%CI 0.67-1.46,p=0.95)。また,血管イベントの年間発生率は,プラセボ群11%,aspirin群10.7%と有意差は認められず(p=0.99),補正ハザード比は1.08(95%CI 0.72-1.62,p=0.71)であった。
全エンドポイントの補正ハザード比の時間による推移の検討では,1年後まではaspirin投与によりリスク低下が認められたが,それ以降は上昇することが示唆された。

●有害事象
最も多い有害事象は胃腸障害(14例)であり,うち6例は入院を要した。輸血を要する非致死性胃出血が2例(各群1例)に認められた。

文献: Côté R, et al for the Asymptomatic Cervical Bruit Study Group. Lack of effect of aspirin in asymptomatic patients with carotid bruits and substantial carotid narrowing. Ann Intern Med 1995; 123: 649-55. pubmed
関連トライアル AICLA, AITIA 1977, AITIA 1978, CAPRIE 2000, CARESS, Cocozza M et al, Danish Very-Low-Dose Aspirin Trial, Georgiadis D et al, 2009, Harker LA et al, RESTORE, Swedish Cooperative Study
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