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Sreedhara R et al Anti-platelet therapy in graft thrombosis: results of a prospective, randomized, double-blind study
結論 新規のePTFEグラフトへのdipyridamole投与は血栓形成抑制に有効であるが,aspirinによる効果は認められなかった。また,ePTFEグラフト施行歴を有する場合での両薬剤による有効性は示されなかった。

目的 慢性血液透析患者に施行したePTFE(expanded polytetrafluoro ethylene)グラフトにおける血栓形成に対する,抗血小板薬aspirin,dipyridamole単独と併用の有効性を比較検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。
セッティング アメリカ。
期間 追跡期間は18ヵ月。登録期間は1982年4月~1988年2月。
対象患者 107例。19~84歳(平均54.4歳)。
以下の2つのタイプの慢性血液透析患者を登録。
タイプI(84例):新規の動静脈ePTFEグラフト施行予定例(血液透析を開始直後の患者,または他部位へのePTFEグラフト施行が必要な患者)。
タイプII(23例):ePTFEに血栓が形成されたため,血栓除去術および/または新規のePTFE挿入が必要な患者。
【除外基準】コントロール不能な高血圧症(座位時DBP>110mmHg),消化性潰瘍の既往,血友病,von Willebrand's diseaseまたは出血障害,悪性腫瘍,aspirinまたはdipyridamoleに過敏症。
治療法 dipyridamole 225mg/日(分3)単独投与群[29例(タイプI:23例,タイプII:6例)],aspirin 325mg/日単独投与群[26例(タイプI:20例,タイプII:6例)],dipyridamole 225mg/日(分3)+aspirin 325mg/日併用投与群[28例(タイプI:22例,タイプII:6例)],プラセボ群[24例(タイプI:19例,タイプII:5例)]にランダム化。
投与開始は,新規ePTFE設置または血管内膜切除術施行の1~2日前,または施行後1日以内。透析時にheparinを投与。aspirin含有製剤,sulfinpyrazone,プロスタグランジン阻害薬,clofibrate,coumarins,theophylline,カフェイン含有製剤およびcolchicineの投与は不許可(エリスロポエチンはこの時点で一般的に入手不可能であったため投与せず)。
追跡完了率 プロトコール完了率は89.7%(96例)。
【脱落理由】移植または患者の拒否による脱落(9例),追跡不能(2例)。
結果

●評価項目
タイプI患者では,dipyridamole投与群での血栓形成率が非投与群に比し有意に抑制されたが(20% vs 41%,p=0.062),aspirin投与群では非投与群に比較して血栓形成率が高かった(36% vs 24%,p=0.34)。血栓形成率はdipyridamole単独群で最も低く(17%),aspirin単独群で最も高かった(50%)。
タイプI患者における18ヵ月の累積血栓形成率は,dipyridamole単独群21±9%,併用群25±11%,プラセボ群42±13%,aspirin単独群で80±12%であり,dipyridamoleの相対リスクは0.35(p=0.02)と有意であったのに対し,aspirinの相対リスクは1.99であった。dipyridamoleとaspirinの相互作用は認められなかった(p=0.33)。タイプII患者における血栓形成率は78%であり,全群で高率であった(dipyridamole単独群83%,aspirin単独群50%,併用群100%,プラセボ群80%)。

●有害事象
有害事象の発生率はdipyridamole単独群20例(69%),aspirin単独群15例(58%),併用群18例(62%),プラセボ群16例(67%)と有意差は認められなかった。狭心症と消化管出血の発生頻度が高く,追跡期間中に7例が死亡した(dipyridamole単独群,aspirin単独群各1例,併用群2例,プラセボ群3例)。

文献: Sreedhara R, et al. Anti-platelet therapy in graft thrombosis: results of a prospective, randomized, double-blind study. Kidney Int 1994; 45: 1477-83. pubmed
関連トライアル Agnew TM et al, Brooks N et al, Brown BG et al, CABADAS, Chesebro JH et al 1982, Chesebro JH et al 1984, DAC, Findlay JM et al, GESIC, Green RM et al 1982, Guiteras P et al, Hockings BE et al, Kohler TR et al, McCollum C et al, Pfisterer M et al, Rajah SM et al 1985, Rajah SM et al 1994, Sharma GV et al, VA Cooperative Study 1989, Veterans Affairs Cooperative Trials
on Antiplatelet Therapy after CABG
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