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Ekeström SA et al Effect of dipyridamole (Persantin) on blood flow and patency of aortocoronary vein bypass grafts
結論 dipyridamoleは冠動脈血流を増加させ,CABG後のグラフト開存率を高めることが示された。

目的 大動脈冠動脈バイパスグラフト術施行例において,抗血小板薬dipyridamole単独投与によるグラフト開存性への効果を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。
セッティング 単施設。スウェーデン。
期間 追跡期間は1年。
対象患者 360例。平均年齢58歳。1983年8月~1987年12月に冠動脈バイパス術(CABG)施行のため入院していた患者。
【除外基準】凝固障害(抗トロンビンIII<85%)。
治療法 dipyridamole投与群(174例)とプラセボ群(186例)にランダム化。
dipyridamole群:術前2日に400mg/日(分4)経口投与を開始し,術日の朝100mgを経口投与,周術期は5mg/kg/24時間を経口投与が可能になるまで(約24時間後)静注,術後1年間400mg/日(分4)を継続投与。
CABGは大動脈冠動脈静脈バイパスグラフト術および/または内動脈と左冠動脈前下行枝間の吻合術。施術から1年後に冠動脈造影を実施してグラフトの閉塞を確認。
追跡完了率 追跡完了はdipyridamole群126例(72%),プラセボ群129例(69%)。脱落例は105例(29.2%:dipyridamole群48例,プラセボ群57例)。
【脱落理由】抗凝固療法の必要性(31例),心および脳血管イベント(25例),有害事象(18例)など。
結果

●評価項目
全グラフト開存例はdipyridamole群68例(51%),プラセボ群61例(47%)。3ヵ所以上の吻合部を有する例での全グラフト開存率は48% vs 36%(0.05<p<0.1)。実薬の有効な傾向(p=0.08)が認められた。
ロジスティック回帰分析によると,周術期の血流がグラフト開存に有意に関連していた。周術期の静脈グラフト(245例)の血流はdipyridamole群で有意に多かった(p<0.01)。閉塞率は周術期の血流が>30mL/分(鈍縁枝へのバイパス:p<0.01,右冠動脈へのバイパス:p<0.05,対角枝へのバイパス:0.05<p<0.1)の静脈で低かった。

●有害事象
心血管および/または脳血管イベント,あるいは抗凝固療法の必要が脱落理由だった例はdipyridamole群22例(13%),プラセボ群34例(18%)。

文献: Ekeström SA, et al. Effect of dipyridamole (Persantin) on blood flow and patency of aortocoronary vein bypass grafts. Scand J Thorac Cardiovasc Surg 1990; 24: 191-6. pubmed
関連トライアル Agnew TM et al, Antiplatelet Therapy after Coronary Artery Bypass Graft Surgery, Brooks N et al, Brown BG et al, CABADAS, Chesebro JH et al 1982, Chesebro JH et al 1984, D'Addato M et al, Gavaghan TP et al, GESIC, Guiteras P et al, Hockings BE et al, Kohler TR et al, Limet R et al, Pantely GA et al, Pirk J et al 1986, Pirk J et al 1990, Rajah SM et al 1985, Rajah SM et al 1994, Sharma GV et al, Thaulow E et al, VA Cooperative CABG, VA Cooperative Study 1989, Yli-Mäyry S et al
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