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Cocozza M et al Effects of picotamide, an antithromboxane agent, on carotid atherosclerotic evolution. A two-year, double-blind, placebo-controlled study in diabetic patients
結論 糖尿病患者に対するpicotamideの長期投与は,早期の頸動脈アテローム硬化病変の進展を抑制することが示された。

目的 インスリン非依存型糖尿病患者(正常血圧)における無症候性の軽度または中等度(<50%)の頭蓋外頸動脈狭窄病変の進展に対する,抗血小板薬picotamideの有効性を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング イタリア。
期間 追跡期間は2年。試験期間は1989年10月~1993年12月。
対象患者 50例(男性35例)。平均年齢66歳。インスリン非依存型糖尿病で,血糖コントロールが良好に行われている患者(空腹時血糖値≦7.8mmol/L)で,無症候性非狭窄性(内腔狭窄<50%)の頭蓋外頸動脈アテロームプラークを1つ以上有する患者。また,虚血性脳血管イベントの既往がない患者。
【除外基準】年齢>75歳,高血圧症の既往(座位時DBP≧95mmHgまたは降圧薬の服用)および/またはベースライン時に抗血栓療法を必要とする軽度および重度の血管イベント(不安定狭心症,心筋梗塞,一過性脳虚血発作,脳卒中)の既往。
治療法 picotamide 900mg/日(分3)投与群(25例)とプラセボ群(25例)にランダム化。picotamide以外の抗血小板薬の投与は不許可。その他の併用薬に関しては試験期間中変更せず。ベースライン時,1,3,6,9,12,18,24ヵ月後に頸動脈の超音波スキャンを実施。
追跡完了率 追跡完了率は98%(49例)。
【脱落理由】死亡(1例)。
結果

●評価項目
ベースライン時の患者1人あたりの頸動脈アテローム硬化病変の平均数と平均狭窄率は,picotamide群で各2.7±1.8,25.3±7.2%,プラセボ群では2.2±1.2,27.3±6.4%。プラセボ群の1例を除く49例が追跡終了。試験終了時,10例(picotamide群2例,プラセボ群8例)で抗血小板薬(aspirinまたはticlopidine)を投与。24ヵ月後,プラセボ群(n=24)では,頸動脈アテローム硬化病変の平均数(3.04±1.8,p<0.02)および平均狭窄率(35.1±17.4%,p<0.04)がベースライン時に比し有意に増加。picotamide群(n=25)ではベースライン時から大きな変化はみられなかった(平均病変数2.7±1.6,狭窄率26.1±9.2%)。24ヵ月後ではpicotamide群でプラセボ群に比較して平均病変数と狭窄率が有意に抑制された(各p<0.003,p<0.001)。
新規病変の発生は,プラセボ群で21ヵ所,picotamide群では6ヵ所と有意差が認められた(p=0.04)。血球数,総コレステロール値,トリグリセリド値,血糖値,フィブリノゲン値は両群ともに変化はみられなかった。picotamide群の90%以上の患者において,コラーゲン誘発性の血小板凝集が有意に抑制された。また,picotamide群ではプラセボ群に比し,フィブリノゲン分解産物のレベルが投与1ヵ月後で有意に増加した(p<0.001)。

●有害事象
軽度または重度の虚血性血管イベントまたは死亡が12例(プラセボ群9例,picotamide群3例)に認められ,有意差がみられた(p=0.07)。

文献: Cocozza M, et al. Effects of picotamide, an antithromboxane agent, on carotid atherosclerotic evolution. A two-year, double-blind, placebo-controlled study in diabetic patients. Stroke 1995; 26: 597-601. pubmed
関連トライアル ADEP, Asymptomatic Cervical Bruit Study, CARESS, Neirotti M et al, Pratesi C et al
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