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Berglund U et al Effects of ticlopidine of platelet function in men with stable angina pectoris
結論 ticlopidineはADPおよびコラーゲン誘発性血小板凝集に対する強力な阻害作用を有しており,プロスタサイクリンの併用による血小板凝集阻害作用への相乗効果が示された。

目的 安定狭心症の男性患者において,抗血小板薬ticlopidineの血小板機能に対する影響を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。
セッティング 単施設。スウェーデン。
期間 追跡期間は8週間。
対象患者 38例(男性)。41~65歳(中央値58歳)。過去3ヵ月以上にわたり症状が安定している危険性の少ない安定狭心症患者。全例が胸痛および典型的な心筋虚血によるST下降のため,自転車運動負荷試験が中止された。74%(28例)は血管造影所見にて,冠動脈の主要3枝に内腔径の50%を超える退縮が認められた。
治療法 2週間のrun-in期間(プラセボ投与)後,ticlopidine 500mg/日(分2,8週間)投与群(21例)とプラセボ群(17例)にランダム化。
aspirin,indomethacin,その他の血小板機能に影響を与える薬剤投与は,試験開始1週間前から中止。試験期間終了時,治療開始4週後,8週後に評価を実施。
追跡完了率 脱落率は13.2%(5例)。
【脱落理由】緊急CABG施行を要する狭心症(3例),下痢,発赤(各1例)。
結果

●評価項目
8週間後のADP(1μM)およびコラーゲン(1mg/L)誘発性血小板凝集は,ticlopidine群で各61%,63%阻害され,プラセボ群との間に有意差が認められた(ADP:4週後および8週後各p<0.01,コラーゲン:4週後p<0.01,8週後p<0.05)。また,8週間後のticlopidine群における凝集阻害作用と,治療前のADPおよびコラーゲン誘発性凝集作用との間には有意な相関が認められた(各p<0.001,p=0.001)。一方,エピネフリン(1μM)誘発性血小板凝集に対する阻害作用は小さく(8週後 35%,p<0.05 vs プラセボ群),有意な相関は認められなかった(p=0.14)。
8週間後のADP(5μM)誘発性凝集作用は,ticlopidine単独群51.9%,プロスタサイクリン(0.5ng/mL)単独群75.0%,ticlopidine+プロスタサイクリン(0.5ng/mL)併用群25.8%であり,プロスタサイクリンのADP誘発性血小板凝集阻害作用は,ticlopidineの併用による相乗効果を有することが示された(プロスタサイクリン単独 vs 併用:p<0.001)。8週間後の併用による阻害作用は,いずれのプロスタサイクリン濃度(0.5ng/mL,1.0ng/mL,2.0ng/mL:ベースラインより63.8%,77.7%,79.8%凝集作用低下)においても,ticlopidine単独群(ベースラインより37.8%凝集作用低下)に比し有意であった(いずれもp<0.01)。
なお,ticlopidineはβ-トロンボグロブリン,血小板第IV因子,フィブリノゲンの血漿レベルに影響をおよぼさなかった。

●有害事象
表記なし。

文献: Berglund U, et al. Effects of ticlopidine of platelet function in men with stable angina pectoris. Thromb Haemost 1985; 54: 808-12. pubmed
関連トライアル ASPECT, Aukland A et al, Gröntoft KC et al, Houtsmuller AJ et al, Knudsen JB et al
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