抗血栓トライアルデータベース
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LARA
結論 低用量aspirin(50mg/日)は,末梢血管疾患患者における経皮的血管形成術(PTA)施行後の再狭窄予防において高用量(900mg/日)と同等の有効性を有し,かつ重篤な消化管に関する有害事象の発生が少なかった。

目的 症候性末梢血管疾患による経皮的血管形成術(PTA)施行患者において,抗血小板薬aspirinの高用量(900mg/日)および低用量(50mg/日)による再狭窄抑制効果と有害事象への影響を比較検討。
デザイン ランダム化,二重盲検。
セッティング 多施設(2施設)。ドイツ。
期間 追跡期間は35週間(中央値:高用量群33週間,低用量群37週間)。
登録期間は1986年8月~1991年3月。
対象患者 359例。血管造影により大腿動脈または腸骨動脈に狭窄,または10cm未満の大腿動脈閉塞が確認された患者。
【除外基準】血管外科手術施行前に中枢側病変にPTAを受けた患者,大腿動脈と腸骨動脈の血管形成術を同時に施行した患者,PTA施行後のステント留置,血液凝固障害,胃・十二指腸潰瘍,アスピリンアレルギーによる血管浮腫や喘息,血液透析,悪性腫瘍や重篤な冠動脈疾患患者など。
治療法 高用量aspirin 900mg/日(分3)投与群(175例)と低用量aspirin 50mg/日投与群(184例)にランダム化。低用量群:朝50mg投与後,プラセボ2回投与。全例に,PTA施行前日にaspirin 1,000mgを投与(オープン)。試験薬以外の経口抗凝固薬,抗血小板薬の投与は不許可。組織灌流に影響をおよぼす可能性のある薬剤投与は中止。
追跡完了率 投与中止率は41%(147例:高用量群78例,低用量群69例)。
【脱落理由】有害事象(67例),コンプライアンス不良(30例),患者の希望(22例),致死性脳卒中または一過性脳虚血発作(5例),非致死性心筋梗塞(5例)など。
結果

●評価項目
再狭窄は39例で発症し,1年後のイベント発生のない累積生存率(開存率)は84.2%(高用量群84.9%,低用量群83.8%)と両群間で有意差は認められなかった。開存率は男性より女性で低く(78% vs 87%,p=0.049),低用量群において性差が顕著であり(72% vs 88%,p=0.026),高用量群では有意差はみられなかった(84% vs 86%,p=0.35)。開存率は,大腿動脈の閉塞(>3cm)患者では69%であり,大腿動脈の狭窄または閉塞が小さい(<3cm)患者では85%,腸骨動脈狭窄の患者では90%と有意差が認められた(p=0.053)。多変量解析では,大腿動脈の閉塞(>3cm)が再狭窄率を高める有意な予測因子であった。

●有害事象
107例(30%)に消化管に関する有害事象が発生した。有害事象による投与中止は67例(高用量群35例,低用量群32例)であり,消化性潰瘍,消化管出血を伴うびらん性胃炎の発生率は高用量群において有意に高かった(p=0.03)。軽度の消化管障害または他の有害事象の発生に関しては,両群に有意差はみられなかった。

文献: Ranke C, et al. Controlled trial of high- versus low-dose aspirin treatment after percutaneous transluminal angioplasty in patients with peripheral vascular disease. Clin Investig 1994; 72: 673-80. pubmed
関連トライアル ARPA, Heiss HW et al, Kereiakes DJ et al 1996, Minar E et al, RESTORE, STARC
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