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Tohgi H The effect of ticlopidine on TIA compared with aspirin: a double-blind, twelve-month follow-up study
結論 一過性脳虚血発作(TIA)治療において,ticlopidineはaspirinに比較してわずかではあるが明らかに優れた効果を示した。

目的 一過性脳虚血発作(TIA)既往患者における抗血小板薬aspirinとticlopidineの有効性を比較検討。
デザイン ランダム化,aspirin対照,二重盲検。
セッティング 多施設(101施設)。日本。
期間 追跡期間は12ヵ月(可能であれば16ヵ月)。
試験期間は1981年9月~1983年1月(17ヵ月)。
対象患者 340例。過去3ヵ月以内にTIA(the Outline of Cerebrovascular Diseasesの基準に適合する症状を有し,24時間以内に消失)発症が1回以上認められた患者。
治療法 ticlopidine 200mg/日投与群(170例)とaspirin 500mg/日投与群(170例)にランダム化。
追跡完了率 対象症例の約50%が6ヵ月の追跡終了不可能。
【脱落理由】登録が遅れた患者での試験期間の早期終了,患者の訪問なし,または拒否,有害反応など。
結果

●評価項目
有効性に関する評価281例(82.6%:ticlopidine群136例,aspirin群145例)の検討では,TIAの発症率はticlopidine群とaspirin群で顕著に減少したが,両群間に有意差は認められなかった。総イベント[TIA+可逆性虚血性神経障害(RIND)+脳梗塞+心筋梗塞(MI)]の発生率はticlopidine群19.4%(32/165例),aspirin群29.6%(50/169例)で,有意差はないもののticlopidine群で減少した。また,イベント非発症の累積生存率は6ヵ月後まで両群で同等であったが,12ヵ月後にはticlopidine群で有意に良好であった。
治療効果(イベント発生がない,あるいはTIA発症率または重症度が改善された場合を「効果的」とした)が認められた患者の割合はticlopidine群で高く,3,6,12ヵ月後ではaspirin群との差は有意ではなかったが,最終評価では有意差がみられた。

●有害事象
安全性に関する評価(334例:ticlopidine群165例,aspirin群169例)の検討では,有害事象はticlopidine群15%(25例),aspirin群18%(30例)に発現し,うちaspirin群のみで胃・十二指腸潰瘍5例が認められた。また,有害反応の約2/3が登録後3ヵ月間に発生した。

文献: Tohgi H. The effect of ticlopidine on TIA compared with aspirin: a double-blind, twelve-month follow-up study. Agents Actions Suppl 1984; 15: 279-82. pubmed
関連トライアル ATIAIS, Fiskerstrand CE et al, Georgiadis D et al, 2009, Gröntoft KC et al, JETS-1, Katsumura T et al, TASS 1993, TASS 1993, TIMAD
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