抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
EMATAP Estudio Multicéntrico Argentino de la Ticlodipine en las Arteriopatias Periféricas
結論 本試験から,末梢動脈疾患患者へのticlopidine投与は血栓性イベントの予防に有効であることが示された。

目的 間欠性跛行患者における,抗血小板薬ticlopidineの血栓性イベント予防に対する効果を検討。
一次アウトカム:突然死,致死性または非致死性心筋梗塞(MI),致死性または非致死性脳卒中,疾患の進行による心血管インターベンション。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(21施設)。アルゼンチン。
期間 追跡期間は24週間。試験期間は1988年3月~1991年10月。
対象患者 615例。42~76歳。間欠性跛行患者。糖尿病合併患者(糖尿病層)183例,非糖尿病合併患者(非糖尿病層)432例。下肢上部に閉塞性動脈疾患を有する患者:トレッドミルにより間欠性跛行が発生する歩行距離が時速3.2km/時,傾斜角10%,室温22±2℃で50~300m。
【除外基準】aspirinまたは非ステロイド性抗炎症薬の投与を受けている患者など。
治療法 ticlopidine 1,000mg/日(分2)投与群(304例:糖尿病層88例,非糖尿病層216例)とプラセボ群(311例:糖尿病層95例,非糖尿病層216例)にランダム化。ticlopidineは糖衣錠とフィルムコート錠を使用し,消化管の忍容性を比較。
追跡完了率 投与中止例は80例(13.0%:ticlopidine群42例,プラセボ群38例)。
【脱落理由】有害事象(34例),死亡(13例),非致死性アウトカム発生(13例)など。
結果

●評価項目
一次アウトカムの発生は,ticlopidine群5例(1.64%),プラセボ群20例(6.43%)であり,ticlopidine群で有意に抑制された(p=0.002,相対リスク3.90,95%CI 1.49-10.29)。重篤なアウトカム(突然死+MI+脳卒中)の発生は,ticlopidine群4例,プラセボ群12例であり,ticlopidine群で有意に減少した(p=0.043,2.93,0.96-8.99)。血行再建術においてもticlopidine群で有意な減少がみられた(1件 vs 8件,p=0.013,7.82,0.98-62.15)。非糖尿病層ではticlopidine群で有意にイベントが抑制されたが(p=0.008,3.75,1.26-11.12),糖尿病層では有意差は認められなかった(p=0.117,4.63,0.56-38.87)。また,総死亡および非致死性イベントにおいては,ticlopidine群で有意に減少した(9例 vs 21例,p=0.027)。
歩行距離の改善は,両群間で有意差はみられなかったものの,50%以上の改善においてはticlopidine群で改善傾向がみられた。

●有害事象
有害事象は,発疹(13例 vs 1例)と下痢(16例 vs 2例)においてticlopidine群で有意に多かった(p<0.001)。消化管障害は,ticlopidineフィルムコート錠を服用した患者群でわずかに多かったが,有意差は認められなかった。

文献: [main] Blanchard J, et al and the EMATAP group. Results of EMATAP: a double-blind placebo-controlled multicentre trial of ticlopidine in patients with peripheral arterial disease. Nouv Rev Fr Hematol 1994; 35: 523-8. pubmed
関連トライアル ACT, Aukland A et al, Balsano F et al, BTRS, CATS, Gröntoft KC et al, Katsumura T et al, STIMS, TASS 1993
関連記事