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Agnew TM et al The role of dipyridamole in addition to low dose aspirin in the prevention of occlusion of coronary artery bypass grafts
結論 グラフト開存性および自己冠動脈病変の進展において,aspirin低用量(100mg/日)単独とaspirin+dipyridamole併用の有効性は同等であったが,単独群は忍容性の点で優れていた。

目的 CABG施行例において,aspirinにdipyridamoleを追加した抗血小板療法の早期および遠隔期のグラフト閉塞抑制効果,さらに疾患進展予防効果を検討。
デザイン ランダム化,二重盲検。
セッティング 単施設。ニュージーランド。
期間 追跡期間は1年。施行期間は1986年1月~1988年8月。
対象患者 101例。最初のCABG施行例。
【除外基準】年齢≧70歳,胃腸管出血の既往,消化性潰瘍,出血性疾患,長期の抗凝固療法が必要な例,長期の非ステロイド性抗炎症薬投与を必要とする慢性症状,CABG施行時に同時に弁置換術が必要な例,心臓外科手術の施行歴,脳血管イベントの既往,重篤な心不全または駆出率(EF)<35%,他臓器における慢性疾患(腎不全,肝不全,インスリンが必要な糖尿病など)など。
治療法 CABG施行前にaspirin単独投与群とaspirin+dipyridamole併用投与群にランダム化。
aspirin単独群:aspirin 100mg/日,aspirin+dipyridamole群:術前24~30時間にaspirin 100mg/日+dipyridamole 300mg/日(分2)またはプラセボ投与。施術が午前中の場合は試験薬を再度投与し,午後の場合は施行2時間前に投与,その6時間後100mgのaspirinとdipyridamoleまたはプラセボを投与。2日目からaspirin 100mg/日+dipyridamole 300mg/日(分2)またはプラセボを投与。
全例が術前36~48時間まで通常の狭心症治療,抗血小板療法を継続。また,全例に禁煙および低脂肪食(25%脂肪)を強く推奨。必要な場合には脂質低下療法を開始。
冠動脈造影を早期(5~13週間後,中央値9週間後)および遠隔期(12ヵ月後)に実施。
追跡完了率 試験完了率は60.4%(61例:aspirin群31例,aspirin+dipyridamole群30例)。
【脱落理由】プロトコール逸脱(15例),薬物に関連した重篤な悪心および/または異常な痛み,または頭痛(9例),胃腸管出血(5例)など。
結果

●評価項目
早期および遠隔期の静脈グラフト開存率は,aspirin群93%,87%,aspirin+dipyridamole群90%,89%であった。
病変のグレード(グレード0:正常血管,1:辺縁不整,2:<50%閉塞,3:50~74%閉塞,4:75~89%閉塞,5:90~99%閉塞,6:完全閉塞)が2以上進展した例は,aspirin群232病変の14%,aspirin+dipyridamole群315病変の15%でaspirin群で疾患の進行がみられたが,両群間に有意差は認められなかった。

●有害事象
周術期の死亡は3例。

文献: Agnew TM, et al. The role of dipyridamole in addition to low dose aspirin in the prevention of occlusion of coronary artery bypass grafts. Aust N Z J Med 1992; 22: 665-70. pubmed
関連トライアル Antiplatelet Therapy after Coronary Artery Bypass Graft Surgery, Brooks N et al, Brown BG et al, CABADAS, Chesebro JH et al 1982, Chesebro JH et al 1984, DAC, Ekeström SA et al, GESIC, Guiteras P et al, Hockings BE et al, Kohler TR et al, Lembo NJ et al, McCollum C et al, Pantely GA et al, PARIS-II, Pfisterer M et al, Pirk J et al 1986, Rajah SM et al 1985, Rajah SM et al 1994, Sharma GV et al, Sreedhara R et al, Thaulow E et al, VA Cooperative CABG, VA Cooperative Study 1989, Veterans Affairs Cooperative Trials
on Antiplatelet Therapy after CABG
, Yli-Mäyry S et al
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