抗血栓トライアルデータベース
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DUCCS-II Duke University Clinical Cardiology Group Study-II
結論 t-PA+用量調整heparin併用は,APSAC単独よりも急性心筋梗塞(AMI)治療に適していることが示された。また,低用量aspirinによる有害事象の発生は明らかにされず,かつ標準用量における重篤な出血の増加は認められなかった。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者において,血栓溶解薬t-PA+heparin併用とanistreplase(APSAC)の有効性を比較検討。さらに,aspirinの標準用量と低用量による効果を比較。
一次エンドポイント:入院中の臨床イベント罹患(再発性虚血,うっ血性心不全,再梗塞,心原性ショック,脳卒中,死亡)。
デザイン ランダム化,2×2 factorial,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(24施設)。アメリカ。
期間 追跡期間は5日。ランダム化の期間は1992年12月~1993年6月。
対象患者 162例。年齢>18歳。AMIが疑われる症状の発症から12時間以内。
【除外基準】heparinまたは長期のwarfarin治療の必要性,heparinに禁忌,重大な出血性素因,過去4週以内の消化管または泌尿器出血,脳血管疾患の既往,過去14週以内の大手術または生検の施行歴,過去2週以内の10分を超える心肺蘇生歴,過去6ヵ月以内の重篤な外傷,コントロール不能な高血圧症(DBP>110mmHgまたはSBP>180mmHg),心原性ショック,streptokinase(SK)またはAPSAC治療歴,出血性糖尿病網膜症など。
治療法 t-PA+heparin併用投与群(79例)とAPSAC投与群(83例)にランダム化。
t-PA+heparin投与群:t-PAは90分で100mgボーラス投与(初回15mg,30分後50mg,60分後35mg投与)。t-PA投与直後からheparin 15IU/kg/時静注開始(初回はボーラス投与)。heparin投与開始後12時間は活性化部分トロンボプラスチン時間<50秒を目標に維持し,24時間後以降は50~90秒を維持するために用量調整。APSAC投与群:APSAC 30Uを2~5分で静注。
さらに,aspirin標準用量投与群(83例):投与初日は243mg/日(分3),その後325mg/日経口投与,aspirin低用量投与群(79例):aspirin 81mg/日経口投与にランダム化。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
(本試験は,1993年4月30日に発表されたGUSTO-I Trialによりt-PA投与による死亡率がSKを上回るという結果を受け,早期に中止された。)
一次エンドポイントの発生率は,t-PA+heparin群で顕著な抑制が認められた(25.4% vs 31.3%,p=0.32)。重度なイベント(死亡,心原性ショック,脳卒中)の発生率は,t-PA+heparin群で2.6%,APSAC群では9.6%であった(p=0.05)。冠動脈造影および臨床上の冠動脈開存性の評価では,両群で同等であった(p=0.93)。
aspirin低用量群では高用量群に比し,院内死亡率と再発性虚血の発症率が抑制されたが,脳卒中発症は多くみられた。

●有害事象
軽度または重度の出血性合併症の発生は,t-PA+heparin群で有意に抑制され,抗凝固作用に優れることが示された(p=0.001)。また,心電図所見によるサブ解析においても,t-PA+heparin群においてST部の50%および定常状態への回復が早かった。

文献: [main] O'Connor CM, et al for the DUCCS-II Investigators. A randomized factorial trial of reperfusion strategies and aspirin dosing in acute myocardial infarction. Am J Cardiol 1996; 77: 791-7. pubmed
関連トライアル DUCCS 1, ExTRACT-TIMI 25 clopidogrel, GUSTO IIb 1997, GUSTO-I 1993, GUSTO-I 1995, HART 1990, IMPACT-AMI, ISIS-3, ISIS-pilot, MINT, PACT, RAPID II, RAPT, TIMI 10B, TIMI 4, TIMI 6
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